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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2004年02月04日00時19分掲載
タイの庶民の足「赤バス」が消える 運賃3倍に、早くも反対の声
【東京=福井厚志】タイのスリヤ運輸大臣は2日、バンコク首都圏の路線バスを一手に担う政府の外郭団体「首都圏大量輸送公社」(BMTA)に対し、冷房がなく運賃の安い通称「赤バス」を一掃するよう指示した。赤バスは庶民の最も身近な足となっており、一掃されればバス運賃は現在の3倍から6倍に跳ね上がり、庶民の家計を圧迫することになる。 赤バスは政策上、運賃が4バーツ(約11円)の乗り切り制と低く抑えられ、BMTAが慢性的な赤字に苦しむ原因となっている。現在までの累積赤字は200億バーツ(約560億円)に達し、4月の地下鉄開業を前に抜本的な改善策を示す必要に迫られていた。 また、排気ガスなど環境面でも近年投入が進む新車には大きく劣ることから、BMTAでは90年代後半から順次赤バスの台数を削減している。しかし取り替え計画が遅々として進まないため、タイ運輸省は2年以内という期限を切ってBMTAに成果を出すよう求めたとみられる。 計画では、欧州の現行排ガス規制に準拠した最新鋭の冷房車(通称ユーロ2)を赤バスの路線に投入するほか、いくつかの路線を廃止するなどして2006年までに赤バスを消滅させるとしている。 ところが、ユーロ2は日本のバスと同様に距離に応じて運賃が上がる仕組みを採用していて、初乗り運賃は12バーツ(約33円)と赤バスの3倍。最も高い区間では20バーツ(約56円)で、赤バスの6倍にもなってしまう。このため、地元の足をバスに頼っているバンコク市民にとっては大きな負担増となり、一部では早くも反対の声が上がっている。
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