2016年04月24日00時46分掲載  無料記事
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福島から

ふくしま県市民連合が野党3党に共闘の可能性を問う 〜「県民公開討論会−各党に問う−市民の声をどう表現するのか」開催

 今夏の参院選での野党(無所属)統一候補の擁立・支援等を目的に全国各地で市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)が結成される流れを受けて、福島県でも今年2月28日、「安全保障関連法廃止を求めるふくしま県市民連合」(以下、ふくしま県市民連合)が結成された。 
 ふくしま県市民連合は“3つの目標”(^汰簡歉禊慙∨,稜兒漾↓現在の日本国憲法の遵守と、それに反する集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回による立憲主義の回復、8朕佑梁左靴鰺文遒垢訐治の実現。特に福島県では県内の原発全基廃炉)を活動の基本方針とし、県内野党3党(民進党、共産党、社民党)の共闘実現を目指している。 
 ふくしま県市民連合は、結成から約1か月後の3月21日、野党共闘に対する県内3野党の姿勢を問うため、福島県二本松市の福島県男女共生センターにおいて、県内野党3党の代表者を招いた県民公開討論会を開催した。 
 
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<開会挨拶> 
 
 県民公開討論会では、ふくしま県市民連合呼びかけ人の坂本恵さん(福島大学教授)が、主催者を代表して挨拶に立ち、福島県でも野党共闘を実現させたいと訴えた。 
「安全保障関連法をめぐっては、ふくしま県市民連合結成以降も目まぐるしく変化しており、3月2日には安倍首相が参院予算委員会において在任中の憲法改正を明言しました。そういう意味では、私たちは戦後日本の民主主義の岐路に立っていると思います。 
 全国では野党共闘が進んでいるため、福島県でも野党共闘に向かって進んでいきたいと考えています。今日、ここに集まった皆さんと『私たち市民が変わり、野党が変わり、安倍政治の暴走を許さず、自公政権下での憲法改正に手を付けることは許さない』との思いを共有していきましょう」 
 
<SEALDsメンバーによる来賓挨拶> 
 
 来賓として出席したSEALDs及びSEALDsTOHOKUのメンバーは、安全保障関連法廃止の取組や野党共闘に対する思いを語った。 
 
「2011年3月11日に発生した東日本大震災、私がSEALDsメンバーとして声を上げるきっかけとなり、今の活動の原動力になっているのは、あの時の何もできなかった自分に戻りたくないという思いがあるからです。 
 今、全国で安全保障関連法廃止を求める運動が行われていますが、こういったことが選択肢の一つになったということは、自分たちが『おかしい』と感じたことに声を上げられる社会になっているのだと思います。私たちはこの国の主権者なのだから、自分が『おかしい』と思ったことを無視するようなことはしないでほしい。 
 野党共闘はなかなか難しいことが多く、福島県でもそうだと思いますが、全国では野党共闘によって次の参院選における統一候補が決定している選挙区もあります。こういった状況はSEALDsだけでなく、全国の皆さんが声を上げたからこそできたことだと思うので、福島県での野党共闘に向けて一人一人が声を上げ続けていきましょう」(SEALDs・矢野和葉さん) 
 
「昨年、安全保障関連法が成立した時から、私たち市民による民主主義を取り戻す闘いが始まったのだと思います。安全保障関連法の問題を訴え続けていくことは精神的、身体的に辛い部分があり、正直、『民主主義って面倒臭いな』と思ったりします。しかし、現代の私たちには先人たちが作り上げた民主主義を担っていく責任があるのだと思います。 
 SEALDsTOHOKUでは、学生が中心となって行動していける場を作っていきたいと考えています。また、東日本大震災、それに伴う福島第一原発事故以降、東北地方にはくすぶる思いを持ち続けている市民が大勢いると思うので、そういった市民と民主主義の回復を求め、そして次の参院選で勝つために一丸となって取り組んでいきたいと考えています」(SEALDsTOHOKU・久道瑛未さん) 
 
<野党各党代表者の発言> 
 
 続いて、県民公開討論会に出席した県内野党3党〔民主党(当時)、共産党、社民党〕の代表者に対し、集会主催者が、,佞しま県市民連合が掲げる“3つの目標”に対する考え、⊆,了憶〜に向けた野党3党による共闘実現の可能性、という2つの質問を投げ掛けた。 
 このうち、,砲弔い討漏禿泙箸發修亮饂櫃忙唇佞鮗┐靴燭、△砲弔い討楼焚爾里茲Δ兵禊海硫硬拑垢見られた。 
 
「今の政治情勢は自民党一強状態であり、それ故、野党がバラバラのままでは次の参院選に勝つことはできません。ですから、政策や理念が必ずしも一致しなくとも大枠で共通項を見出し、柔軟にやっていくことも必要です。そのため、協力できることは全て協力し結束することは当然だと思います。ただし、この考えは私自身の個人的意見であり、党の結論とは別であることを理解していただきたいと思います」〔民主党(当時)・増子輝彦参院議員〕 
 
「次の参院選は、憲法の要請に応える立憲主義の政治なのか、憲法改正を掲げる安倍政権の暴走政治を許すのかが問われるとともに、若者の生命と日本の未来がかかった選挙になります。福島第一原発事故以降、福島県では政治に対する怒りが込み上げているのですから、何としても福島県で自民党に勝つ選挙をしたいと思っています。今こそ、福島県で野党共闘を実現し、次の参院選で安倍政権に致命的な打撃を与えられるように全力を尽くします」(日本共産党福島県委員会・熊谷智常任委員) 
 
「社民党は次の参院選福島選挙区に候補者を立てていませんので、他の野党とともに自民党の議席を減らすために闘っていきたいと考えています。全国的に見れば福島県の野党共闘は遅れ気味なので、早く実現を目指したいと思います。皆さんの支援をいただきつつ、野党3党合意による統一候補実現のため全力で取り組んでいきます」(社民党福島県連合会・小川右善代表) 
 
<参加者からの訴え> 
 
 野党3党代表者からの発言を受けて、県民公開討論会に集まった市民から、福島県での野党共闘実現を望む声が次々と上がった。 
「次の参院選で福島選挙区が注目を集めることは間違いありません。なぜかと言えば、与党候補が自民党の現職大臣だからです。この現職大臣に野党統一候補が勝つということになれば、野党共闘という点では大きな成果になります。そのためには、野党3党の単なる政党間協力だけでなく、ふくしま県市民連合を中心に様々な市民団体を集中させて大きな力にしていくことが必要だと思います」(男性Aさん) 
 
「安全保障関連法廃止のため、若者たちが中心となってSEALDsを結成して国会前で声を上げ、それが東北地方や福島県に広がってきています。彼らの素晴らしいところは、それぞれ政治信条があり支持政党があるかもしれないのに、それを胸の中に仕舞い込んで、反自公で結束しようと取り組んでいるということです。こういった取り組みを野党3党にも実行してほしいと思います」(女性Bさん) 
 
「内閣支持率は福島県と沖縄県では非常に低い状況であり、それ故、福島県内の野党3党が共闘すれば自民党を打倒できる可能性があると思います。衆参同日選も取り沙汰されていますので、次の参院選に向けた野党共闘を1日も早く整え、さらに衆院小選挙区での統一候補擁立を進めてほしいと思います。選挙後、安倍首相に『衆参同日選にして失敗した。やるんじゃなかった』と言わせるようにしましょう」(男性Cさん) 
 
「私は福島県内において、保守・革新を問わず幅広い方たちとともに運動に取り組んでいます。そういった多くの方たちとの運動を通じて、安倍政権に対して“ノー”という声が大きくなってきていると感じています。野党がバラバラでは市民も力を発揮できないので、野党3党が共闘し先頭に立って引っ張ってもらいたいと思います」(男性Dさん) 
 
「全国各地では野党共闘が進んでいますが、福島第一原発事故があった福島県でこそ野党共闘を実現させてほしいので、野党3党には本気で共闘を考えてほしいと思います。現段階で安全保障関連法廃止の声を上げられるのは、ここに集まっている野党3党だと思います。私たちの希望が実現されるように私たち自身も努力しますので、野党3党にはその思いを受け取って形にしてもらいたいと思います」(女性Eさん) 
 
<ふくしま県市民連合からの呼びかけ> 
 
 最後に、ふくしま県市民連合呼びかけ人の坂本恵さん(福島大学教授)が再び登壇し、参加者に次のような取組への協力を呼びかけた。 
「会場に集まった皆さまには、県内各地域で『○○市民連合』、『ミナセン○○』といった組織結成を進めてもらいたいと考えています。また、福島県での野党共闘実現を求める呼びかけを行ったり、地元選出国会議員に対するハガキやFAXを利用した安全保障関連法廃止の要請活動に取り組んでもらいたいと思っています。そのために、ふくしま県市民連合は、各地域での活動を支援するプラットホームとしての役割を果たしていきます」 
 
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 県民公開討論会の最後には、SEALDsメンバーのコールに合わせて「野党は共闘!」の声が会場内に響き渡り、壇上にいた野党3党代表者が手を取り合う場面が見られた。福島県での野党共闘の実現を期待したい。(館山守) 


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