2016年07月08日18時31分掲載  無料記事
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福島から

“市民が作る政治”の主体を担おう!〜福島県で地域版市民連合「ふくしま“市”市民連合」が発足

 「安全保障関連法廃止」や「野党は共闘」を訴える全国での市民運動の流れを受けて、福島県では今年2月、「安全保障関連法廃止を求めるふくしま県市民連合」(ふくしま“県”市民連合)が発足した。 
 ふくしま“県”市民連合は、活動方針の中で「多くの市民に活動状況を広く訴えるため、福島県内の各市町に市民連合(=地域版市民連合)を結成していく」と掲げているが、これに呼応する形で、6月に県都の福島市において「戦争法廃止・立憲主義の回復・福島原発全基廃炉を求めるふくしま市市民連合」(ふくしま“市”市民連合)が結成された。 
 ふくしま“市”市民連合が6月11日に福島市民会館で開催した結成集会を報告する。 
 
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<記念講演「市民運動が政治を変える!」> 
 
 「市民連合運動と戦争法廃止の展望−ふくしま市市民連合のめざすもの−」というテーマで講演した福島県九条の会事務局長の真木實彦さんは、今度の参院選で改憲勢力の議席を伸ばさないようにするとともに、ふくしま“市”市民連合は、参院選後も“市民が作る政治”の主体を担っていくべきだと訴えた。 
「すでに衆院では改憲勢力が3分の2を占めており、今度の参院選の結果次第では、憲法改正が一気に現実的になってくる可能性があります。現行憲法を堅持するという意味では、参院は最後の砦であり、今度の参院選は改憲勢力の議席を伸ばさないようにする闘いでもあります」 
「市民連合を始めとする市民の力によって、全国で32選挙区ある参院1人区で、野党共闘による統一候補が擁立されました。次は、この統一候補が参院選で勝つための闘いをしなければなりません。しかし、市民連合による取り組みを、それで終わらせてしまってはいけません。今の政治を変えるために皆が一致団結し、市民の力で政治を作っていくことが必要であり、そうした結束を築いていく役割を市民連合が担っていくべきではないかと考えています。また、市民の力で政治を変えていくに当たっては、政党にも変わってもらわなければ、本当の意味で“市民が主役の政治”に到達することはできません。ですから、政党には今回の参院選で示した野党共闘のように、新たな局面に対応した政治ができるように変わっていくことを望みます」 
 
<「市民の手に政治を取り戻そう!」福島市民からの訴え> 
 
 続いて、県内で安全保障関連法廃止などを訴えて活動する若者グループ「DAPPE」(平和と平等を守る民主主義アクション)メンバーや、福島市内の保育所に勤務する保育士が、政治に対する思いを訴えた。 
「DAPPEは、今度の参院選で安倍政権打倒のために共闘する野党を躍進させることを目標にしており、そのため多くの市民とともに選挙を闘っていきたいと考えています」「DAPPE結成から1年になりますが、これまで活動を続けてくることができたのは、『憲法を無視して海外で戦争するという安保法制をこのままにしておいていいのか』『立憲主義のルールが守られない政治をこれ以上続けさせていいのか』『この国が掲げてきた平和主義を捨て去ることを一内閣の判断で決めてしまっていいのか』といった思いを持った若者が集まり、つながりを持つことができたからだと思います」「野党共闘の始まりは『立憲主義を破壊させてはいけない』という点で一致したことであり、それを望む市民の声があったからです。市民が政治に働きかけ、政治を変えることができるということを、今ほど説得力を持って語れることはありません。だから、多くの市民に対して『今こそ、選挙に行こう』と呼びかけていきましょう」(DAPPE・佐藤大河さん) 
 
「待機児童の問題は福島県も例外ではなく、子どもを保育所に預けたくても預けられない家庭がたくさんあります。また、保育所の人手不足は深刻な問題です。保育士の仕事は、子どもの命を預かるという大切な仕事であり、やりがいのある仕事です。安倍政権は消費税増税による社会保障の充実を掲げていますが、財源を含めてもっとしっかりとした政策を示し、待機児童の問題にも対応してもらいたいと思います」「5年前の東京電力福島第一原発事故によって、県内の保育環境は大きく変わってしまいました。子どもたちが安心して暮らせる環境を守るためにも原発を再稼働させない、そして原発ゼロを目指していかなければなりません」「子どもたちには平和な未来を残したいと思いますが、安全保障関連法があっては子どもたちの身を危険に晒すことになります。子どもたちの平和な未来を守るためにも、この法律は廃止しなければなりません」(保育士・鈴木直子さん) 
 
<野党3党代表者挨拶> 
 
 県内の野党3党(民進党、共産党、社民党)代表者からは、参院選に向けた決意が語られた。 
「立憲主義、民主主義を無視した安倍政権が、集団的自衛権行使のため、憲法解釈を歪曲して成立させた安全保障関連法は、70年以上にわたって続いてきた平和国家・日本を脅かしており、何としても廃止しなければなりません。政党間の立場や意見を乗り越え、安倍政権にストップをかけるため、野党統一候補・増子輝彦氏を支え参院選を闘い抜いていきます」(民進党・高橋秀樹福島県議) 
 
「安倍首相を始め与党は、野党共闘を野合とか民共合作だと批判しています。しかし、立憲主義の回復、民主主義と平和を取り戻すため、各党が力を合わせることのどこが野合なのでしょうか。許せないのは安倍政権です。この点を強く訴えるとともに、参院福島選挙区で安倍政権の現職大臣を打ち破るため、統一候補当選のため全力を尽くします」(日本共産党福島県委員会・熊谷智常任委員) 
 
「今度の参院選は、今後の国政において野党がどう協力していくのか、そして、市民が中心の政治の実現を目指していくための重要な選挙です。ここが正念場だと気を引き締めて、全力をもって参院選を闘っていきます」(社民党福島県連合会・鈴木利之幹事長) 
 
<ふくしま“市”市民連合が目指すこと> 
 
 その後、ふくしま“市”市民連合共同代表の那須稔雄さん(福島県九条の会事務局長補佐)が、今後の活動方針などを説明した。 
 ふくしま“市”市民連合が掲げる“4つの要求”は次のとおりである。 
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◆[憲主義の回復・集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回 
 個人の尊厳の回復・福島原発全基廃炉 
ぁ々饑選挙で現与党及びその補完勢力を少数に追い込むために野党に協力 
 
 そして那須さんは、“4つの要求”を実現するための活動方針として、次の4点を示した。 
 々く市民(団体など)に呼びかけ、ふくしま“市”市民連合に対する賛同者(団体)を増やす。 
◆ 崛挙に行こう」「選挙に行って政治を変えよう」などの宣伝を行う。 
 憲法をめぐる問題について学習会を行う。必要に応じて集会・パレードなどを行う。 
ぁ〜換顱県内各地の市民連合の経験を学び、積極的に情報収集・交流をはかり、新しい市民運動をつくる。 
 
 さらに那須さんは、ふくしま“市”市民連合が衆院選での野党共闘も促していくと訴えた。 
「参院選では、福島県を始め1人区で野党による統一候補が擁立されました。これを衆院小選挙区でも目指していかなければ、“4つの要求”の実現に近づくことはできません。そのため、県内5つの小選挙区での野党統一候補の擁立に向けて、各地域に市民連合を結成するとともに、統一候補擁立を野党各党に呼びかけていきます」 
 
<参院選での野党統一候補の勝利を!> 
 
 最後に、ふくしま“市”市民連合の佐藤政男さんが閉会挨拶を行い、参院選での野党統一候補の当選に向けて市民運動を推し進めていこうと訴えた。 
「多くの市民の努力と後押しによって、福島県では参院選の野党統一候補が誕生しました。参院選後、安倍首相は憲法改正に着手するつもりでいますが、この福島県から、安倍首相の憲法改悪を断念させるための大きな力を示しましょう。今、市民運動によって、政党を動かして野党統一候補を生み出し、『選挙に行って政治を変えよう』との新しい民主主義の取り組みが始まっていることに私たちは確信を持っています。参院選での野党統一候補の勝利に向けて、福島県から市民運動を盛り上げていきましょう」 
 
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 将来の衆院選も見据えたふくしま“市”市民連合の今後の動きに注目していきたい。(館山守) 


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