2016年07月31日23時18分掲載  無料記事
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米国

サンダースのヒラリーへの応援演説

 アメリカ大統領選挙の民主、共和両党の候補者が決まった。クリントン、トランプの演説は、NHKのサイトなどで詳しい日本語訳が読める。 
 ここでは、少し長いが、民主党の候補指名を最後まで争ったサンダース上院議員の、クリントンへの「公約守れよ」的な党大会での応援演説を紹介する。(西条節夫) 
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 まず、私たちのキャンペーンにボランティアで積極的に参加してくれた何十万という皆さんに感謝します。私たちのキャンペーン支援を寄せてくれた250万人の人々にも。800万口という前例のない個人献金となり、その平均は27ドルです。政治革命のため予備選で投票してくれた1300万人の人々にも感謝します。私たちは全体の46%、1846人の代議員を獲得し、彼らは今夜ここにいます。代議員のみなさん、これまでの全ての活動に感謝します。私は代議員投票を楽しみにしています。 
 私の地元バーモント州の人々にも特別の感謝をします。皆さんは私を市長、下院議員、上院議員、そして大統領候補のそれぞれの時期に支えてくれました。私の家族、妻のジェーン、4人の子どもと7人の孫に対しても、キャンペーンへの大変な支援と愛に感謝します。 
 この大会会場と全国にいる多くの人々は、大統領候補の指名プロセスの最終結果にがっかりでしょう。誰よりもがっかりしているのは私だ、と言っても差し支えないでしょう。でも私は、ここと全国にいる私たちの全支持者にお願いします。私たちが成し遂げた歴史的な成果に大きな誇りをもちましょう。 
 友人、兄弟姉妹の皆さん。私たちはアメリカを変革する政治革命を、一緒に始めました。その革命は、私たちの革命は、続きます。選挙期間は過ぎますが、一握りの1%ではなく私たちすべてを代表する政府――経済、社会、人種、環境の正義に基づく政府をつくる人々のたたかいは、続くのです。そして私は皆さんと一緒にそれをたたかいたいと思います。 
 ハッキリ言えば、この選挙は、ヒラリー・クリントンやドナルド・トランプ、あるいはバーニー・サンダース、その他の大統領を目指す候補についてのものではないし、けっしてそうではありませんでした。この選挙は、政治ゴシップについてでも、世論調査でも、キャンペーン戦略についてでも、資金集めについてでもありません。メディアが延々と議論していることではまったくないのです。 
 この選挙は、アメリカの人々が必要とすることと、私たちが子どもと孫にどのような未来をつくるかについてのものですし、そうあるべきなのです。 
 この選挙は、40年にわたる中間層の没落とその結果4700万の男女と子どもたちが貧困の中にある現実を終わらせるということです。それは、私たちが経済を変革しなければ、これからの世代は親世代よりも低い生活水準に陥るという認識にかかわっています。 
 この選挙は、私たちが近年経験している、1928年以来最悪レベルの所得と富の不公平を終わらせることに関するものです。上位0.1%が下から90%の人々の富を持つ、あるいは上位1%が近年の新たな全所得の85%を稼ぐという現状は、倫理に反し、受け入れがたく、持続可能でもありません。それは耐え難く、変革が必要です。 
 この選挙は、オバマ大統領が7年半前、共和党のトリクルダウン経済の8年の後、政権についた時のことを忘れないことです。共和党は、ウォール街の強欲、無謀、不法な行動の結果、我が国経済が大恐慌以来で最悪の低迷に陥っていたことを、私たちに忘れてほしいと思っています。毎月およそ80万人が失業者になっていました。1兆4千億砲箸いΦ録的な財政赤字に陥り、世界の金融システムは崩壊の淵にありました。 
 私たちはこれまでの7年半で進歩を遂げており、私はオバマ大統領、バイデン副大統領があの悲惨な景気低迷から脱却するため発揮した指導力に感謝します。 
 そう、私たちは前進しました。でも、もっともっと多くのことをやる必要がある。それについて異論はないと思います。 
 この選挙は、どの候補がこの国が直面する本当の諸問題を理解し、本当の解決策を提示できるかをめぐるもので、ただの大言壮語、恐怖をあおり、中傷、対立させることではありません。 
 私たちがこの国で、勤労家族、子ども、高齢者、病人や貧しい人々の生活を改善する指導力を必要としています。私たちは、人々を結び付けより強くする指導力が必要です。ラテン系やイスラム教の人々、女性、アフリカ系アメリカ人、退役軍人を侮辱し分断する指導力は不要です。 
 こうした点から客観的に見れば、誰でもヒラリー・クリントンが、彼女の考えと指導力に基づけば、次のアメリカ大統領になるべきだと結論付けるでしょう。トランプとは比べものになりません。 
 私がネバダ州で一人のシングルマザーに会いました。彼女は目に涙を浮かべ、幼い娘を抱えて時給10.45砲任笋蠅りするのは無理、将来が死ぬほど怖い、と私に訴えました。この選挙は、まったくふさわしくない賃金のもとで何とか生きようともがいているこの女性やその他何百万人というこの国の労働者に関するものなのです。 
 ヒラリー・クリントンは、アメリカで週40時間働く人が貧困生活を送るべきではないと理解しています。彼女は、最低賃金を生活賃金まで引き上げるべきだと理解しています。そして彼女は、道路、橋、上下水道といった崩壊しそうなインフラを再建することで何百万もの新雇用を生み出すと決意しています。しかし、彼女の対抗馬、ドナルド・トランプは、著しく異なる考えを持っています。彼は連邦の最低時給7.25砲箸いΦ臆酊其發琉き上げに賛成していません。一方で彼は、億万長者に巨額の減税を考え、各州が最低賃金を7.25飽焚爾砲垢觚⇒を持つべきだと信じています。侮辱もいいところです。 
 この選挙は、わが国最悪の連邦最高裁の判決の一つ、法人による選挙運動を容認したシティズンズ・ユナイテッド判決を覆すためです。判決は、億万長者のコーク兄弟のような、米国の最富裕層が、何億万砲眸颪笋形挙を買収し、それによりアメリカの民主主義を損なうことを許しています。 
 ヒラリー・クリントンは、シティズンズ・ユナイテッド判決を覆す連邦最高裁の判事を指名し、この国が専制政治に向かう動きを止めるでしょう。彼女の最高裁判事の指名は、女性の中絶選択権、労働者の権利、LGBTの人々の権利、少数民族と移民の必要なもの、環境を保護する政府の能力を守ることにもなるでしょう。 
 もし皆さんが、この選挙は重要ではなく、参加しなくてもいいと考えているなら、ドナルド・トランプが指名する連邦最高裁判事がどうなるか、それが市民的自由、平等、我が国の未来にどういう意味を持つか、ちょっと考えてください。 
 この選挙は、多額の借金を抱え大学を中退したり、大学に行くお金のないその他大勢の若者たちについてのものです。予備選の最中、クリントンと私はこの問題に焦点をあてましたが、アプローチは違いました。でも先日、私たちは、アメリカの高等教育を革命的に変える提案で一致しました。それは、この国の年収12万5千飽焚爾硫板蹇焚罎国の83%の人口)の子どもに対し、学費無料で公立の大学に通えるように保障するというものです。この提案は、学生の借金をかなり減らすものでもあります。 
 この選挙は、私たちの地球が直面する最大の環境危機である気候変動と、この世界を健全で居住可能なまま、子どもと将来の世代に引き継ぐ必要性に関するものです。科学者たちは、私たちが大胆に行動し、できるだけ早くエネルギー・システムを変革しなければ、さらなる干ばつ、洪水、海洋の酸性化、水面上昇がおこると述べており、ヒラリー・クリントンは、それをしっかりと聴いています。彼女は、そうした行動をとれば何十万という新たな良い給料の雇用を創出できると理解しています。 
 ドナルド・トランプはどうか? 彼は大半の共和党員と同じく、科学を拒否しています。彼は気候変動が「作り話」で、何もする必要なしと信じています。ヒラリー・クリントンは、大統領の仕事が、化石燃料産業の短期利益ではなく、将来の世代を心配することだと分かっています。 
 この選挙は、米国を国民皆保険に向け前進させ、無保険あるいは不十分な保険しかない人々の数を減らすことです。ヒラリー・クリントンは、全アメリカ人が公的な健康保険を選べる権利を持てるよう望んでいます。彼女は、55歳以上の誰もが高齢者向け医療保険を選べるようになるべきだと考えており、また、地域健康センターを抜本的に拡充することで、もっと何百万人も多くのアメリカ人が一次医療、歯科検診、メンタルヘルスのカウンセリング、低額の処方箋が入手できるよう望んでいます。 
 ドナルド・トランプの立場はどうか? これまでと同様、勤労家庭をバカにしたものです。医療保険制度改革法を廃止し、2000万人を健康保険から締め出し、低所得者向けのメディケイドを削減したいのです。 
 ヒラリー・クリントンはまた、何百万という高齢者、障害を持つ退役軍人、その他の人々が恐ろしく高い処方薬に苦しんでいること、アメリカ人が世界で最も高額な薬代を払っていることを理解しています。彼女は、高齢者向け医療保険について製薬業界と薬価について交渉すべきこと、製薬企業は5人に1人のアメリカ人が必要とする薬を買えない中で何十億という利潤を上げるべきではないことを知っています。製薬会社の強欲を終わらせなければなりません。 
 この選挙は、包括的な移民改革を成立させ、破たんした犯罪司法制度を修復するために必要な指導力についてです。若者が、牢屋ではなく、良い学校、良い仕事に出会うことを保障することです。ヒラリー・クリントンは、これ以上の投獄や収監ではなく、若者の教育と雇用に投資すべきことを理解しています。 
 わが国にとって、これだけストレスのある時代において、この選挙は、人々を分断ではなく団結させるものであるべきです。ドナルド・トランプは次々と新たなグループを侮辱することに余念がありませんが、ヒラリー・クリントンは、私たちの多様性が私たちの最高の力だと分かっています。そう、私たちは、黒人、白人、ラテン系、アジア系、先住民、つまり私たち全員が共に立つとき、もっとも強くなれるのです。私たちは、男、女、若者、高齢者、同性愛者とそうでない者、この国に生まれたか移民かにかかわらず、私たちが建設可能だと知っている国をつくるためにたたかうとき、より強くなれるのです。 
 ヒラリー・クリントンと私が多くの問題で意見を異にすることは、ご存知のとおりです。それについてこの選挙戦は行われてきました。それが民主主義のあるべき姿です。しかし私は、喜びをもって言いたい。民主党の政策綱領委員会において、両陣営は重要な歩み寄りをみせ、民主党の歴史でもっとも進歩的な政策綱領を作り上げたのです。中でも民主党はいま、ウォール街の主要な金融機関の解体と21世紀版のグラス・スティーガル法を求めています。そしてまた、TPPのような雇用破壊の自由貿易協定に強い反対を求めています。 
 私たちの仕事は、この政策を民主党主導の上院と下院をつくり、ヒラリー・クリントン大統領のもとで実行することです。それを現実のものとするため私は、可能なあらゆることをおこないます。 
 私はヒラリー・クリントンを25年前から知っています。彼女は、国民皆保険を目指すたたかいを主導するという、前例のない、想定外の偉大なファーストレディーです。私は彼女とともに、上院議員をしていました。私は、彼女が子供の権利を強力に擁護していることも知っています。 
 ヒラリー・クリントンは、傑出した大統領となるでしょう、そして私は今夜、彼女とともにここに出て立っていることを誇りに思います。 


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