2016年12月18日18時24分掲載  無料記事
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福島から

次期衆院選での野党共闘を求めて〜ふくしま県市民連合が県民集会を開催

 今年の参院選(7月10日投開票)で、民進・共産・社民・生活(現・自由党)の4野党は全国32の1人区に統一候補を擁立し、そのうち11の選挙区で勝利した。参院福島選挙区(1人区)では、民進・共産・社民3党の統一候補・増子輝彦氏(民進党)が自民党現職候補を破って3度目の当選を果たしている。 
 その増子氏の当選に向けて、超党派の市民団体「ふくしま県市民連合」は、候補者の1本化を求めて野党3党と協議したり、公開討論会を開催するなど、県内で様々な取り組みを行った。 
 ふくしま県市民連合は現在、次期衆院選に向けて、県内野党の引き続く共闘を求めて活動をスタートさせており、12月4日には福島県二本松市の福島県男女共生センターにおいて、市民と県内野党代表者が参加した「アベ政治の暴走許さない第3回県民集会」を開催した。 
 
<県内野党代表者の挨拶> 
 
 集会では、ふくしま県市民連合共同代表の真木實彦さん(福島大学名誉教授)による開会挨拶に続き、民進・共産各党の代表者が、それぞれ「市民と共に政治を変えていく」旨の決意を語っていた。社民党は、集会に連帯メッセージを送る形で対応した。 
 
「『福島の再生なくして、日本の再生なし』と訴えた安倍首相は、福島第一原発事故で苦しんでいる多くの方々に目を向けることなく、原発再稼働を進め、県民の思いとはかけ離れた復興政策を押し進めています。このような政治に対して、野党間で様々な考えや意見があったとしても、大きな目的があれば一つに結集することができるということを、今夏の参院選では示すことができたのではないでしょうか。日々の生活だけでなく、この国の在り方や社会を変えてしまう政治に対して、今こそ私たち自身がノーと訴え、国民目線からかけ離れた政治を何としても変えていかなければなりません」(民進党・金子恵美衆院議員) 
 
「安倍政権は、南スーダンにPKO派遣する自衛隊に対し、駆け付け警護という新たな任務を付与しましたが、これによって、自衛隊が戦闘に巻き込まれ、殺し殺されることが現実になろうとしています。安倍政権が世論の声を無視して強行な政治を進めるのは、安倍政権の弱さの表れです。世論を踏みにじる政治を押し進める安倍政権は、一刻も早く退陣させなければなりません。そのためにも、市民と野党の共闘をさらに発展させていきましょう」(共産党・岩渕友参院議員) 
 
「経済のグローバル化による国境を越えた国際社会の競争は、格差と貧困を増幅し資本主義経済の矛盾を明確に示しています。こうした状況はアメリカ大統領選挙の結果やヨーロッパの一部の国における極右勢力の台頭に見られる国家主義の信仰をもたらし、まさしく先の世界大戦に突入した日と同様の段階を迎えようとしています。したがって、今こそ日本国憲法の下で、国際平和と国民一人一人が人間らしく生きていける社会を目指さなければなりません」(社民党福島県連合・紺野長人代表からの連帯メッセージ) 
 
<市民団体からの訴え> 
 
 また、福島市を中心に活動する市民団体「戦争法廃止・立憲主義の回復・福島原発全基廃炉を求めるふくしま市市民連合」代表者と、若者グループ「DAPPE(平和と平等を守る民主主義アクション)」メンバーが、それぞれ次期衆院選に対する思いを訴えた。 
 
「次期衆院選に向けた態勢を、福島県内5つの小選挙区で作り上げていかなければなりません。そのため、ふくしま市市民連合では、伊達市の市民連合、南相馬市で市民運動に関わっている代表者などを集めて、衆院福島1区での市民連合立ち上げに向けた話し合いなどを行っています。『自民党の暴走をこのまま放置しておく訳にはいかない』との思いを多くの市民が抱いているのですから、次期衆院選に向かって早期に態勢を整えるとともに、市民連合としての幅を大きくしていきたいと思います」(ふくしま市市民連合共同代表・那須稔雄さん) 
 
「福島第一原発事故による大きな被害を受けた福島県から、原発に頼らない社会を訴えていくため、野党には確固とした共闘を結んでほしいと思います。原発問題で野党がどのような合意をできるかは、次期衆院選でのポイントになると思いますし、それを福島県の野党が全国に先駆けて合意することで、大きく注目されると思います。そうした力に私たち若い世代がなれるように活動を強化していきたいと思っていますし、政治を変える力になれるよう取り組んでいきます」(DAPPE(平和と平等を守る民主主義アクション)・佐藤大河さん) 
 
<参加者からの発言> 
 
 県民集会に参加した市民からも、参院選に続き、次期衆院選での野党共闘を求める声が数多く上がっていた。いくつか紹介したい。 
 
「参院選において、東北地方の5選挙区で野党統一候補が当選したことは、多くの市民の熱意が結果につながったと確信しています。今後、市民と野党の共闘を進めていくためにも、お互いに意見交換できる場をつくっていくことが大事なのではないかと思います」(男性Aさん) 
 
「参院選での教訓は、市民が野党共闘を呼びかけ、それを実現させたということです。この教訓を生かすためにも、他の地域の人たちと交流したり、これまでつながりのなかった人たちに対して、野党共闘の必要性を訴えていくべきではないでしょうか」(男性Bさん) 
 
「18歳選挙権の導入に当たって、若者への選挙制度に関する教育が不十分だったのではないでしょうか。そのため、参院選で投票する際、若者が戸惑ってしまったのではないかと思います」(男性Cさん) 
 
「若者の中には、自分自身でニュースや新聞から情報を得て、参院選で投票した人もいたと思いますが、一方で、政治に参加することに対する意識が低い若者もいると思います。だから、各政党には若者をどのようにして政治に参加させていくかということをもっと議論してほしいです」(男性Dさん) 
 
「有権者として、各政党が掲げる政策を的確に判断することは大事だと思います。しかし、若者がそうした判断をすることは難しい面もあり、結局、現状維持で良しという考えから、与党に投票してしまうのではないかと思います」(女性Eさん) 
 
「大学生の中には、住民票を居住先に移していない場合があり、投票することが困難という問題があります。こうした制度面の問題が解決されれば、若者の投票率向上につながっていくのではないかと思います」(女性Fさん) 
 
<ふくしま県市民連合の今後の活動方針> 
 
 ふくしま県市民連合共同代表の塩谷弘康さん(福島大学教授)は、閉会挨拶の中で、参院福島選挙区での野党共闘を高く評価するとともに、次期衆院選での野党共闘に向けて、県内各地域に運動の裾野を広げていこうと呼びかけた。 
「ふくしま県市民連合は、次期衆院選での野党共闘に向けて県内野党3党との協議を始めています。本来であれば、本日の県民集会において、野党3党の代表者が並び、次期衆院選での野党共闘、そして候補者の一本化について合意したかったのですが、そこまで到達するには至りませんでした。参院選と衆院選では異なる面があること、そして各党の中央方針が定まらなければ表立って動けないということがあるのも事実です」 
 
「今、私たちにできることは、政党の動きを待っているのではなく、私たちが各地域で声を上げ、行動していくことではないでしょうか。民主主義を取り戻すため、私たち一人一人が何をできるのか考え、各地域に運動の裾野が広がるように取り組んでいきましょう」 
 
 この塩谷さんの呼びかけを実現するべく、同じく共同代表の坂本恵さん(福島大学教授)は、集会の中で、ふくしま県市民連合が取り組むべき5つの活動方針を提起している。 
 
 ,佞しま県市民連合が掲げる「三目標」(安全保障関連法の廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回、福島県内の原発全基廃炉)の実現のため、野党共闘の一層の充実を求め、安全保障関連法に賛成する議員を一人も許さない取り組みを全県で進める。そのため、各地域の市民連合・ミナセン等と共同の取り組みを進めていく。また、「地域市民集会(仮称)」を開催し、地域の各野党と懇談し連携を深めていく。 
◆,佞しま県市民連合は、これまで通り「三目標」での一致点を求めていく。 
 「野党統一」のためには、今夏の参院選福島選挙区同様に野党共闘の意思を示し、「三目標」に同意することを明文化して公表する。 
ぁ(‥膰での野党共闘に当たっては、民進党、共産党、社民党の3党が参加することを前提とする。 
ァ,修梁召寮策についても、県民の福祉・社会保障の向上、教育の充実、労働環境の整備、生活の向上、といったことに正面から応え、「4野党共通政策」、野党共同提出の議員立法15法案に基づき、各党が多様な訴えを行っていくことを要求する。 
 
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 ふくしま県市民連合は現在、“地域ごとの市民連合”結成を呼びかけており、この呼びかけに応じる形で、福島市を始め、複数の自治体で“地域版市民連合”が結成されている。野党共闘の実現に向けて福島県内の市民運動をリードする、ふくしま県市民連合の活躍に引き続き注目していきたい。(館山守) 


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