2017年05月15日00時25分掲載  無料記事
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政治

次期衆院選に向けた山形県における野党共闘の実現を!〜「市民連合やまがた」が正式に発足

 今年4月16日、山形ビッグウイングにおいて、次期衆院選に向けた野党共闘を呼び掛けるためのネットワーク組織「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合やまがた」(略称:市民連合やまがた)のキックオフイベントが開催された。 
 山形県内で活動する市民団体関係者が、今年1月に集まって準備を始め、この日を迎えたのである。 
 キックオフイベントには、県内野党4党の代表者や、昨年の参院選山形選挙区で野党統一候補として当選した舟山康江参院議員も出席した。 
 
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〈“市民と野党の共闘”を山形県でも広げよう〉 
 
 「市民連合やまがた」共同代表・若林和彦さんは、主催者を代表して挨拶に立ち、市民と野党の共闘を山形県でも広げていこうと訴えた。 
「今年1月14日、『野党共闘を求める市民の会(仮称)』として集会を開催しました。これからの活動を推進していくため、全国各地に広がっている市民と野党の共闘に倣い、この会の名称を『市民連合やまがた』とします。皆さん、共に頑張っていきましょう」 
 
 そして、「市民連合やまがた」の理念と方針が、主催者から次のとおり発表された。 
(1)理念 
立憲主義、民主主義、平和主義の擁護と再生は、誰もが自由で尊厳あるくらしを送るための前提となるものです。「市民連合やまがた」は、安全保障関連法の廃止と立憲主義の回復、そして、自由な個人が尊重される社会を構築する政治と政策の実現をめざします。 
 
(2)方針(要旨) 
ヾ靄槓針 
・安全保障関連法の廃止 
・立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回) 
・格差と貧困をなくすことなど個人の尊厳と権利を擁護する政治の実現 
 
当面の方針 
「市民連合やまがた」は、県内立憲野党が話し合い、候補者を統一するよう要請します。調整・協議の場には、必要によって「市民連合やまがた」など市民団体が関与します。政党に所属しない人物が統一候補となった場合は、「市民連合やまがた」などとの間で公約などについての合意をできるだけ交わすものとし、また、有権者にわかりやすく伝えていきます。 
 
その他の方針 
・格差と貧困の拡大や雇用の不安定化、社会保障等の権利縮小ではなく、公正な分配、再分配や労働条件にもとづく健全な経済の実現 
・戦前のような復古的な考えの押し付けをこばみ、人権の尊重を基本とした教育やジェンダー平等の実現 
・マスコミや教育現場などでの言論の自由の擁護 
・沖縄県民の民意にもとづいた「基地のない沖縄」の実現 
・原発再稼働を許さず、原発ゼロで持続可能な社会の実現 
・自然、環境と共存する循環型の持続可能な農林水産業の実現 
 
〈野党各党のアピール〉 
 
 続いて、山形県内の野党4党代表者が、野党共闘に関する認識を述べたり、今後の共闘方針等を提言した。 
 
「他の野党とは、細かい政策についての差はあると思いますし、全てを一致させることはできないと思います。 
 しかし、例えば、安倍政権による教育勅語の復活という点については、断固反対ということで野党が一致できると思いますし、そのような政治を許さないということで、一致点を見出していきたいと考えています。 
 皆さんから『一つ一つの政策を合意しろ』と言われると、はっきり言って野党共闘は成り立ちません。ですから、合意できることはお互いに合意し、違いを際立たせるようなことだけはしないようにしていきたいと思います。 
 野党間ではアベノミクスは完全に失敗したとの共通認識を持っています。見かけの数値ではバブル期を超えた好景気と言われていますが、これは都心の一部がバブルの状態になっているだけであって、地方は大変深刻な状況になっていることは間違いありません。こうした考えを共有しながら、今後、国会の場で対応していきたいと考えています」(民進党山形県連会長・近藤洋介衆院議員) 
 
「共産党は、市民の皆さんとともに安倍政権の暴走を一刻も早く止め、安倍政権に代わる新しい政権誕生のため、野党と市民の共闘が前進し次期衆院選での躍進とその後の新しい動きを進めていくために全力を尽くすつもりです。 
 今後の野党共闘に向けて、4月5日、市民連合と中央の野党4党が参加し、安全保障関連法の廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回、立憲主義の回復のほか、各分野での共通の方向性を確認しました。つまり、次期衆院選に向けて、共通政策の土台を野党4党が確認したわけです。このことは、山形県での野党共闘を市民の皆さんと進めていく上で、大変大きな力になるものと考えています。 
 そこで、私は2つの提案をします。 
 一つは、県内野党4党が継続的な協議をしていくことです。 
 もう一つは、当面する共謀罪阻止の戦いに対して、市民と野党の共闘を発展させながら進めていき、国会での廃案を目指す戦いを強めることです。その上で、次期衆院選に向けた大きな流れを作っていきたいと思います」(共産党山形県委員会委員長・本間和也さん) 
 
「安倍首相は、自身の発した言葉に責任が持てない、国民を欺くような発言を繰り返しています。このような政治は今すぐ止めさせなければなりませんし、そのための政治の転換を皆さんとともに進めていきたいと考えています。 
 地方で就職先を求めている人たちの問題は、その人たちの問題だけではありません。東北地方では人口流出が止まりませんが、その要因は高校を卒業しても地元に就職先がなく、首都圏に出て行かざるを得ないからなのです。これによって、地方の企業も働き手を確保することができないという問題を抱えることになります。こうした問題を見直していかなければ、地方における雇用や生活の改善にはつながりませんし、私たちの暮らしの環境を変えることにはならないと思います」(社民党山形県連副幹事長・木村正弘さん) 
 
「昨年の参院選を振り返ってみて、圧倒的な力を持つ自公政権に対抗するには、違いを超えて一つになること、そして、一つに結束することで多数派になるということを学びました。この流れを止めないため、様々な困難を乗り越え一致団結していくことが必要です。 
 この点を踏まえて、私は2つのことを訴えます。 
 一つは、貧困格差をどのように解消していくかということです。働く人たちの労働環境はますます悪化しており、非正規労働者は全体の40パーセントを超え、2000万人以上となっています。この現状を変えるには、派遣労働そのものを禁止し、国が就労の場を与えるとともに、そのための技能習得の機会を確保することが必要です。 
 もう一つは、反原発運動を地域から起こしていくということです。今村復興相(当時)は、『東京電力福島第一原発事故に伴う自主避難は自己責任である』と述べました。しかし、前橋地方裁判所の判決では、国と東京電力の加害責任を認めています。こうした状況を捉えて、各地域での反原発運動を進めていきたいと思います」(新社会党山形県本部書記長・佐藤淳二さん) 
 
〈市民からの要求〉 
 
 キックオフイベント参加した市民からは、今の政治に対する要求が様々に出た。 
「安倍首相は、安全保障問題を声高に叫んでいるけれども、日本にはおよそ50基もの原発が立地しており、この原発が標的になったことを考えた場合、やはり原発は廃炉にするしかないし、むしろ、それが日本の安全保障につながると思います。それから、原発廃炉を訴えていく中で、原発優遇のための法律である電源三法の廃止を要求していくべきだと思います」(女性A) 
 
「アベノミクスで生活状況が必ずしも良くなっているとは言えません。雇用や社会保障を充実させて、人間らしい生活ができるような社会に変えてほしいと思います。また、生活が向上していないにも関わらず、軽減税率導入などの税制を変えることには問題があると思います」(男性B) 
 
「2006年に有機農業推進法が制定されましたが、有機農産物の増産や消費の増加にはつながっていません。子どもたちの健康を守るため、安全な食べ物を提供するため、有機農産物を広めていく環境を整えてほしいと思います」(男性C) 
 
「『市民連合やまがた』の運動体制を見ると、県内の置賜・庄内・村山といった各地域の団体から共同代表が選出されています。今後、最上地域からも共同代表を選出すことで団体としての活動がより一層浸透していくことにつながると思います」(男性D) 
 
〈お互いの立場を乗り越えて結集しよう〉 
 
 昨夏の参院選で、山形選挙区の野党統一候補として当選した舟山康江参院議員(無所属)は、山形県での野党共闘継続のため、市民と野党がイデオロギーや立場による考えを乗り越えて、お互いが共通した課題に向かっていくことの必要性を訴えた。 
「山形県では各団体、段階でそれぞれ市民運動があり、それが昨年の参院選山形選挙区での野党共闘につながったと思います。これは県内各地域での小さな動きが大きなまとまりとなり、その声が政党に届いた結果だったのではないでしょうか。 
 今の安倍政権に対抗していくためには、共通する課題を共有して、その課題を一緒に考え、その思いを広げていくことによって、政治を変えていくことにつながるのではないかと思います。 
 そういう意味では、山形県における小さな取り組みの結果として、このように『市民連合やまがた』という大きな団体の結成につながったということは、理想的ではないかと思います。『市民連合やまがた』結成によって、今までの小さな動きを大事にしながら、イデオロギーにとらわれない政党とは一線を画した大きな活動に向かってほしいと考えています。そして、そのような活動を通じて、野党各党と連携していくことを期待しています」 
 
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 野党統一候補・舟山康江参院議員の誕生には、山形県内各地域の市民団体の連携が大きな役割を果たした。その進化・発展形の「市民連合やまがた」の発足によって、山形県内での市民と野党の共闘が、より強力に推進されていくであろう。(館山守) 


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