2019年11月27日06時55分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201911270655203

アフリカ

【西サハラ最新情報】  アルジェリアの大統領選挙と西サハラ支援  平田伊都子

 世界中、選挙中です。 アメリカは2020年大統領選挙の前哨戦たけなわです。 イギリスは今年に入って4回目の議会総選挙です。民主主義を声高に唱える資本主義先進国の選挙は、お祭りのように賑わっています。 
 一方、中国特別行行政区香港の区議会選挙では民衆が圧勝しました。 
 そして、社会主義国アルジェリアでは、民衆が要求した大統領選挙戦が進行中です。 しかし、大統領選挙反対のデモも勃発しています? EUも介入しようとしています? 香港やアルジェリアの選挙は、命がけです、、 
 
.▲襯献Д螢大統領選挙戦、続報: 
 2019年9月15日に12月12日の大統領選挙が公示されると、数千人規模で毎週金曜日にアルジェ中央郵便局に集まっていた市民のシュプレヒコールがトーンダウンした。そして11月17日、同じ広場で声を上げたのはアブデル・カーデル・ベングリナ大統領候補だった。 
「我々は我々の力で、この大統領選挙戦を手に入れた。もう、我々は後戻りなどできない。我々の手で新しいアルジェリアを創っていこう」と、集まった群衆に語りかけた。他の4人の候補は、元首相のアブデルマジド・テッブーンを始めとして、政界財界の著名人だ。一方、アブデル・カーデルは観光大臣を2年5か月29日間務めたぐらいで、華々しい経歴はない。FLN(民族解放戦線)や民主国民連合などといった大政党にも属さず、MSP(平和のための社会運動)という団体に約20年間席を置いた後、2013年に「アル・ビナ」というイスラム政党を立ち上げた。彼が生まれたワルグラというサハラ砂漠のオアシスは、アルジェリアが陰惨な内戦に突入した1991年以前は、サハラ砂漠の観光メッカだった。ヤシの木が100万本以上、60mの地下から湧き出る自墳泉が800個以上。<砂のバラ>など、サハラ砂漠独特の工芸品や砂で焼くパンなどが大人気だった。政情不安で観光収入は減ったが、何と言っても石油天然ガスといった豊富な地下資源雅がワルグラを豊かにしている。11月20日、ワルグラ石油天然ガスのパイプ製造工場設立の契約が、アルジェリアとアメリカの間で交わされた。 
 ワルグラの大統領候補・アブデル・カーデル・ベングリナ元観光大臣は敬虔なイスラム教徒だが、アルジェリア新世代のお洒落な感覚と合理的な経済感覚を持ち合わせている。 
 
➁南アフリカのANC(アフリカ民族会議)が国連をせっつく: 
 11月18日、南アフリカ外務大臣ナルディ・パンドル博士が、「南アフリカが国連西サハラ草案の決議を棄権したのは、明らかにこの草案がモロッコに都合の良い解釈ができる、曖昧な表現でなされていたからだ。モロッコと経済的利権や政治的思惑を共有しているフランスがスペインを抱き込んで、モロッコ占領政策を後押しし、国連としてはあるまじき不平等な草案を作成した。植民地主義と闘う南アフリカにとって、断固、容認できない代物だ」と、南アフリカの見解を再度強調した。 
 11月19日、南アフリカの政権与党・ANC(アフリカ民族会議)がアフリカ最後の植民地・西サハラの脱植民地化を国連に迫る声明を出した。その中で、「モロッコによる西サハラの不法な占領に関して、我々は断固として糾弾する。自らが提案した和平工作を放置している国連は、法律上、人道上の責任を深く反省して、この長期にわたるアフリカ最後の植民地の脱植民地化を早急に挙行しなければならない」と、ANC(アフリカ民族会議)のアセ・マガシュレ代表は強い口調で読み上げた。さらにANC代表は、「我々は、SADR(サハラウィ・アラブ・民主共和国)の政府であるポリサリオ戦線を支持し続けていく。国連が決めた西サハラ民族自決権を尊重し、これ以上の遅滞がないよう、西サハラの人々が彼らの権利を行使できるよう、我々は国際社会、とりわけ国連に強く要望する」と、結んだ。 
 12月のCOP(温室効果ガス排出量削減締約国会議)を念頭に、フランスのマクロン大統領、スペインのサンチェス首相、ポルトガルのグテーレス国連事務総長など、元ヨーロッパ宗主国が共謀して、モロッコ植民地を黙認する国連西サハラ安保理決議2494を採択したようだ。 
 
➂今年もEUCOCO(西サハラ人民への支援と連帯の欧州会議)開催: 
 2019年11月22日と23日にスペイン・バスクのヴィトリア・ガステイスで、第44回エウココEUCOCO(European Conference of Support and Solidarity with the Saharawi People・西サハラ人民への支援と連帯の欧州会議)が開催された。エウココは1975年12月、モロッコ軍から故郷西サハラを追われて難民になった西サハラ人を力づけるため、毎年12月にヨーロッパ各地で開かれてきた。今年は500人以上の政治家や有識者やNGO団体が、アフリカや中南米から集まってきた。残念ながら、欧州会議の名前に相応しいヨーロッパ人は少なかった。 
 11月22日のエウココで、アルジェリア上院議員団とCNASPS(西サハラ人に連帯するアルジェリア国民委員会)のサイド・アヤチ代表は、「西サハラ長期紛争は、国連とモロッコが責任を持って解決すべき、脱植民地化問題だ」と、念を押した。 
11月23日、中米パナマのルイス・エスキヴェル議員は、「我が国は改めて、西サハラ人民の独立運動を強く支持することを誓う」と。エウココで宣言した。 
 11月23日、西サハラ難民政府代表団を率いたモハメド・ルワリ・アケイク首相は、「2019年10月30日に採択された国連安保理決議2494は、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)の任期を2020年10月まで延ばした。が、この半年間、ミヌルソも国連も西サハラに関して、全く行動を起こしていない。フランスとスペインの支援を受けたモロッコの妨害戦術で、国連和平交渉は暗礁に乗り上げている。12月19日から22日にかけて開催される第15回西サハラ民族大会では、2000人の参加者たちが軍事闘争も含めたあらゆる可能性を討論する」と、エウココの記者会見で述べた。 
 西サハラに関しては、5人のアルジェリア大統領候補者全員がモロッコの占領政策を非難し、西サハラの脱植民地化を主張している。特にアブデル・カーデル・ベングリナ候補は、11月12日に西サハラ難民キャンプのあるティンドゥフを訪問し、西サハラ民族衣装を着て西サハラ支援を表明した。 
 
 11月22日金曜日、金曜デモの擁護者を自負する大統領候補ベングリナの選挙事務所が、大統領選挙に反対するデモに襲われました。 11月22日、ヨーロッパ議会がアルジェリア大統領選挙への介入を発表しました。 モロッコは大統領選挙を潰し隙あらばアルジェリアに浸食ようと、既に暗躍を始めています。 5人の大統領候補は揃って、EU議会を含む外国勢力の介入を強く非難しています。 外国勢力が煽る国内の大統領選挙反対派にも、警戒を強めています。 フランスから150万人という膨大な犠牲者を出して、アルジェリアは独立を勝ち取りました。 10年間の内戦や、日本人犠牲者を出した天然ガスプラント人質事件でも、治安を名目に軍事介入を企んだ外国勢力を拒絶してきました。 
 外国勢力の狙いは、アルジェリアの石油天然ガスです。 温室効果ガス排出削減を救世主よろしく唱えながら、その温室効果ガスの素、石油天然ガスを、欧州はアルジェリアから奪おうと虎視眈々としています。 
 
 
Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)をご案内。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2019年11月27日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。