2003年01月26日03時58分掲載  無料記事
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若者がキャンプ生活で「もう1つの世界」訴え ポルトアレグレ

 【ポルトアレグレ(ブラジル)25日=宮下洋一】今月23日からブラジル南部ポルトアレグレで開催されている「第3回世界社会フォーラム」には、同市カトリック大学をメイン会場に、会議場、屋外コンサート場などがいくつも設けられている。中でもユースキャンピング場は、このフォーラムの姿を明確に映し出している場所の1つだ。 
 
 そこには、世界中から集った若者たち約3万5000人がテントで暮らし、30度を越す暑さの中、反グローバリズム運動を展開する。赤旗やチェ・ゲバラの横断幕が目立つ施設で、エコロジー・平和・貧困撲滅などを求めて抗議活動を繰り返している。 
 
 昨年10月に就任したブラジル新大統領ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバを強く支える、キャンピング場の地元出身者たちに、ブラジルとフォーラムへの期待について聞いた。 
 
 ブラジル東北部リオ・グランジ・ド・ノルテ出身のオリントさんとパウロさんは、「この国を救えるのはルラだけだ。貧しい生活はもうたくさん。ダボス会議で力を発揮してもらいたい」との期待を投げかけていた。 
 
 ルラ大統領選キャンペーンに参加したポルトアレグレの市民団体「ヒップ・ホップ・ムーブメント」の若者たちは、「現在、ブラジルで一番深刻な問題は貧困と失業率です。わたしたちは、食べたくても食べられないのです。ルラがブラジルに変革をもたらしてくれることを願っています」と叫んでいた。デジタルカメラで写真を撮ると、「わー、すごい技術だ」といって全員がのぞき込んだ。 
 
 キャンプ場を訪れていた日系2世のアントニオさんは、サンパウロ市の市議会議員。周辺の若者たちを見て言った。 
 
 「彼らは見ての通り、ハンモックをかけて休息したり、世界について話し合ったり、肉食を避けた食事をとるなど、もう1つの世界が可能であることを信じている。自然の中で生活をしても、何ら問題がないことを理解している。新自由主義経済が世界にもたらしている悪影響を真剣に考えているのです」。 
 
 そして同氏は、この社会フォーラムが、スイス・ダボスで同時期に開かれている世界経済フォーラムに対抗して「世界のシステムそのものを変える重要な機会である」ことを強調した。 
 
 24日夜、ブラジルのルラ新大統領は、約2万人の聴衆を前に演説し、世界経済フォーラムの会議で「もうひとつの世界は可能である」(フォーラムの合言葉)ことを訴えると約束した。キャンプ施設の若者たちは、この演説に大きな拍手を送った。 
 
 貧困生活から這い上がったルラ大統領は、フォーラムに参加する若者たちのシンボルでもあり、「ルラ、平和と愛を!」と叫ぶ人々で溢れている。キャンピング場は、そんな若者たちでいっぱいだ。 


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