2003年01月27日07時07分掲載  無料記事
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貧困、経済危機、反戦の3点が主題に 第3回世界社会フォーラム

 【ポルトアレグレ26日=宮下洋一】ブラジル南部ポルトアレグレで開催されている「第3回世界社会フォーラム」は26日、第4日目に入った。反グローバリズムを求める世界各国からの参加者およそ10万人が、1700に上るワークショップや会議に参加している。今回のフォーラムでは、貧困撲滅、世界経済危機、そして米国のイラク攻撃反対の3点に焦点が置かれている。 
 
 社会開発を専門に扱う非政府組織(NGO)「ソーシャル・ウォッチ」の報告書によると、「欧州連合(EU)は、1日平均2・2ドルのお金を牛1頭に与えているが、世界人口の半分は、1日2ドル以下の生活を強いられている」と発表し、「南半球の貧困者たちは、欧州で牛になった方がましだ」と皮肉っている。 
 
 フランスの経済金融専門家パトリック・ビブレ氏は「年間500億ドルを飲料水供給や伝染病問題に費やすことが可能ならば、貧困問題に対応できる」と述べ、「EUや米国では、広告・宣伝などに5000億ドルを費やしているのが事実である」と批判した。同氏は、これらの費用に関する規制と対応策が欠如していると主張した。 
 
 ブラジルのジョセ・ディルセウ政府官房長官は「新自由主義経済は、いまや崩壊した。世界貿易機関(WTO)と国際通貨基金(IMF)の2機関は、世界の期待と必要性に答えない」と述べた。 
 
 一方、町中では、パレスチナの平和を願う若者たちが集い、反戦に向けた抗議行動を展開。米国のイラク攻撃反対への声を上げるとともに、「ブッシュ・アウト」「ブッシュ、攻撃的態度を下ろせ」などのプラカードを掲げた。 


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