2003年01月27日10時36分掲載  無料記事
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ベネズエラ大統領、ポルトアレグレで記者会見 通貨管理対策に言及

 【ポルトアレグレ26日=宮下洋一】ベネズエラのチャベス大統領は26日、ブラジル・ポルトアレグレで開催中の「第3回世界社会フォーラム」で記者会見し、同国で昨年12月2日から続くゼネストの解決策のほか、今後のベネズエラ情勢について発言した。 
 
 チャベス大統領は、自国通貨の安定を図るため「今月29日にも管理対策を設ける予定」との考えを明らかにした。現在、同通貨の対ドルレートは、ゼネスト開始以来28%下落。国民への悪影響を極力避けるため、同大統領は「食料と医療の配給制度を開始している」と述べた。 
 
 通貨管理対策について、チャベス大統領は「具体的な手段はすでに決定している。それは新自由主義経済派が嫌う手段だ。しかし、私たち彼らと約束をするつもりはない」と主張したが、詳細は述べなかった。 
 
 貧困層との対話に重点を置くチャベス大統領は、現在、スイスのダボスで行われている「世界経済不フォーラム」が「新自由主義経済対策」であるのに対し、ポルトアレグレの「世界社会フォーラム」を「新人道主義対策」と表現し、市民の声を受け止める重要性を語った。同大統領はまた、「問題解決を目指すはずの首脳会談は、話し合うだけで実行力に欠けており、あまり意味を持たない」との感想も述べた。 
 
 記者会見場の周辺には、数百人の南米人が結集し、ベネズエラ国旗を始め、社会主義や共産主義を訴える赤旗で埋め尽くした。抗議を行う活動家たちは「チェベスは立ち退かない!」と叫び続け、大統領退陣を求めるベネズエラの反政府勢力に対抗した。 


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