2003年02月15日23時17分掲載  無料記事
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ビンラディン氏の声とCIA 放送テープ、鑑定になお疑義も

 【東京15日=稲元洋】ロイター通信によると、米中央情報局(CIA)は、テロ組織アルカイダの指導者とされるウサマ・ビンラディン氏がイラク国民などに「殉教攻撃」を呼び掛けたとされる録音テープについて、専門家の鑑定結果によって声の主はビンラディン氏本人にほぼ間違いないと結論付けた。 
 
 しかし、ビンラディン氏とイラクを関連付けることが米国の利益にかなうとみられることから、鑑定結果の信用性には疑義も残されている。 
  
 テープはカタールのテレビ局アルジャジーラが今月11日に放送、内容は米国とイスラエルへの反撃を訴える声明で、イラク国民に対しては米国に攻撃された場合「殉教攻撃で対抗せよ」などと呼びかけている。 
 
 この声明に対し、米国はパウエル米国務長官が11日の上院予算委員会で「ビンラディンのものとみられる。彼とイラクとの関係が明らかになった」とすぐさま反応。CIAのテネット長官も同日、アルカイダが今週後半に米国、アラビア半島でテロを起こす可能性があると警告した。 
 
 これに対し、イラクでは「イラクを攻撃しようとしている米国が、攻撃正当化の新たな口実にしようとしている」と国会議員などが批判、テープの真偽についても疑う声が出ている。 
 
 一方、今回のテープによる声明にはイラクのバース党を「不信心者」と批判、ビンラディンがイラクとの関係に距離を置いていること示唆する内容も含まれている。 
 
 ビンラディン氏はアフガン・パキスタン国境付近に潜伏し続けているなどの説があるが、昨年10月のアフガン空爆以来、生存が確認されたことはない。 
 
 米情報機関の活動に詳しい専門家の間では、ビンラディン氏は既に死亡していることを米政府は知りながら、公表を控えているのではないかとの見方も根強くある。米政府にとっては「ビンラディン氏が生死をあいまいにしておく方が、対テロ戦争やイラク攻撃の口実に役立つ」ゆえだ。 
 
 ビンラディン氏の生死については、昨年3月にはフランスのリシャール国防相が「死亡した可能性は十分にある」と語っているほか、米国でも同9月、米連邦捜査局(FBI)のテロ対策部門責任者デール・ワトソン氏が「確証があるわけではないが、個人的には彼はもうこの世にいないと思っている」と述べている。 
 
 ビランディン氏の声明とされるテープが発表されたのは、昨年11月以来。 


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