2003年03月08日19時33分掲載  無料記事
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ナウル大統領が重体と米病院が発表 亡命中?に心臓発作、緊急手術

 【東京8日=広井孝明】オーストラリア通信(AAP)によると、アメリカに滞在中に心臓発作を起こし、病院で手当を受けていた中部太平洋のナウルのドウィヨゴ大統領(57)の容態が悪化、首都ワシントンの病院で緊急の心臓手術を受けたが、手術後も大統領は重体となっている。 
 
 AAPによると、大統領が入院しているのは首都ワシントンのジョージ・ワシントン病院で、病院が大統領について「重体者のリストに入っている」と発表した。大統領は2001年にオーストラリアで心臓のバイパス手術を受けており、長年にわたる糖尿病を患っていたという。 
 
 ロイター通信によると、ナウルは人口比での糖尿病の発生率が世界一高い。 
 
 ナウルをめぐっては、国家が事実上破産した昨年末、経済援助と引き換えにオーストラリアから受け入れたアフガニスタン、イラクなどからの難民約1000人が難民収容施設を「自主管理下」に置いたほか、国内で暴動が起き、大統領官邸が焼失したと英誌エコノミストが伝えている。 
 
 ドウィヨゴ大統領はワシントン滞在中、マネーロンダリング(資金洗浄)の監視強化、同国名義の旅券乱発を取りやめる大統領令を発布しているが、今回の訪米そのものが事実上の亡命だったともみられている。 
 
 ナウルは今年1月末から一カ月以上、外部世界との電話回線が不通となっており、ナウル国内の詳細な状況は分かっていない。ナウルへの他国からの民間航空機便も停止したままとなっている。 


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