2003年04月08日08時23分掲載  無料記事
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インドネシア:韓国の協力で原子力発電所を建設か

 【東京8日=都葉郁夫】オーストラリア公共ABC放送によると、インドネシアのハッタ・ラジャサ研究・技術担当国務相は7日、インドネシアが韓国の協力を得て、原子力発電所の建設を検討している、と明らかにした。建設が実際に行われれば、インドネシアで初の原発となる。 
 
 報道によると、ラジャサ国務相はこの日、原子力エネルギー監督庁の長官任命式後に記者会見し、同国が韓国の全面的な協力を得て、出力200メガワット級の原子力発電所の建設計画を検討している、と明らかにした。同国務相は、政府が原発建設を正式決定すれば、2015年の完成、稼動を目指すとも語った。 
 
 建設候補地として挙がっているのは、東ジャワ州都スラバヤの北方にあるマドゥラ島。同国務相は、2億ドル(約240億円)と見積もられる建設資金を韓国が全額負担する予定だと示唆した。 
 
 インドネシアではスハルト元政権当時の1990年代初め、日本の協力を得て、中ジャワ州のジャワ海沿岸のムリア半島地区で原発建設に向けた基礎的な事前調査を実施した経緯がある。しかし、地元などの反対運動に加え、予定地が火山に近過ぎ、地震発生の可能性もあるなどの地理的条件から、建設までには至らなかった。インドネシアが加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)内で原発を保有する国はまだない。 
 
 マドゥラ島は東西160キロ、南北38キロの細長い島で、住民はマドゥラ人。商業都市スラバヤの港からフェリーで約30分の距離にある。石灰岩の丘陵から成っているため土壌が悪く、農業には適していない。主要産業は製塩、漁業、タバコなど。年中行事として「カラパン・サピ」と呼ばれる勇壮な牛の競争や、凧上げ大会が行われることでも知られる。 


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