2004年08月16日23時32分掲載  無料記事
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ちょっと荷が重い?蓮舫参院議員が陳総統と会談、台湾側から要望相次ぐ

【台北16日=志村宏忠】日本と台湾のハーフとして初めて日本の参議院に当選した蓮舫議員が16日、台湾の陳水扁総統と面談、陳総統は「日台の架け橋になってほしい」と期待の言葉をかけた。しかし、総統府での会談で陳総統は、日台の自由貿易協定締結、台湾人旅行者のビザ免除、台湾のWHA(世界保健総会)へのオブザーバー参加の日本政府の継続支持など、1年生議員には荷の重そうな課題での協力を要請した。7月の参院選当選以来、台湾メディアの蓮舫議員に対する関心は高く、15日に台北市内で開かれた国際フォーラムに参加した後も台湾メディアに取り囲まれた。 
 
 すでに帰化しているとはいえ、父親が台湾人で北京に留学経験があるため中国語が理解できる蓮舫議員は、日本が「中国に手厚く、台湾に冷たい」と映る台湾政府や台湾の独立派メディアにとっては、「日台友好」の格好の推進役でもある。台湾政府は、蓮舫議員の当選直後から訪台を働きかけていたとされ、蓮舫議員は13日から15日まで台北市内で開かれていた「民主太平洋大会」に参加し、呂秀蓮副総統らとの討論会に加わった。 
 
 15日の討論会後に台湾メディアに取り囲まれた蓮議員は、「日本の外交はおかしい。台湾は私の父の祖国だが、日本は台湾を国として認めていない。なぜ台湾は国ではないのか」と訴えた。また、「日本は中国に遠慮しすぎだ」とも述べた。 
 
 16日の会談で陳総統は、この蓮舫議員の話を取り上げ、「こうした話が日本の参院議員から聞かれるということは、台湾への強い支持を表わしている」と賞賛した。台湾の各層が要求している訪日ビザ免除について蓮舫議員は、「(日本人は免除なので)確かに不公平だ」とした上で、「自分の任期の間にこうした日台間の不公平を改善したい」と答えた。蓮舫議員は当選前に、尊敬する政治家として陳総統を挙げていた。 
 
 このほか、蓮議員は羅福全亜東関係協会会長や高雄市の謝長廷市長らとも面談する予定で、19日に帰国する。 
 
 台湾では参院選当選直後からメディアを中心に、蓮舫議員への関心が急速に高まり、主要紙が当選を大きく報じたほか、中央通信社は最新の月刊誌「新聞大舞台」で4ページほど割いて特集した。また、香港発行の「亜州週刊」も7月25日号で、「華人の血を引く初めての参院議員」として特集した。 


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