2005年04月12日22時56分掲載  無料記事
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100人の男性、同性愛行為で禁固とむち打ち刑 サウジアラビア 人権団体が非難 

 人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(本部・ニューヨーク)と国際法律家委員会(本部・ジュネーブ)は7日、サウジアラビアが100人の男性を同性愛行為で禁固刑からむち打ちの刑に処したのはプライバシー、公正な裁判、拷問からの自由に反すると非難した。(ベリタ通信=鳥居英晴) 
 
 治安当局は先月10日、男性たちをジェッダで開かれていたパーティーで逮捕した。政府系の新聞アルウィファクによると、男性たちはパーティーで踊り、「女性のように振舞っていた」という。 
 
 「同性愛行為で人々を訴追し、投獄するのは甚だしい人権の侵害である」とヒューマン・ライツ・ウォッチのレスビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー権利プログラムのスコット・ロング担当部長は言う。 
 
 先月26日ころ、ジェッダの裁判所は非公開の法廷で弁護人もいないところで、31人の男性に6月から1年の禁固刑と200回のむち打ち刑、4人に禁固2年と2000回のむち打ち刑を言い渡した。70人以上については、逮捕後まもなく、釈放された。今月3日になって、70人の男性は警察署に呼び出され、禁固1年の刑を告げられた。 
 
 サウジアラビアで適用されているシャリア(イスラム法)では、「逸脱した性行動」には禁固刑から、むち打ち、死刑まで言い渡される。 
 
 サウジアラビアも加盟している反虐待条約は刑罰としてむち打ちを禁止している。 
 
 国際法律家委員会のニコラス・ホーウェン事務局長は「有罪や刑は認められない。サウジアラビアは国連人権委員会のメンバーであり、人権法に違反したそうした行為を止めるよう求める」と語った。 


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