2005年05月12日03時45分掲載  無料記事
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火山噴火で毒性物質? パプアニューギニアで避難民100人以上死亡

 【東京12日=広井孝明】パプアニューギニア紙PNGポストクーリエは11日、昨年10月から活動を続けているニューギニア・マダン州マナム島の火山噴火地域からの避難民100人以上が避難先の保護センターで火山からの毒性物質とみられるものの影響によって死亡したと報じた。 
 
 犠牲者の多くは老人や幼い子どもで、足や腕が腫れ上がったり、肩首、口などに腫れ物ができたりしており、アスラムバ・ケアセンター・スポークスマンのマーク・アロンゴ氏は、「おそらく火山噴火によってまき散らされた毒性物質の副作用ではないか」との見方を示している。 
 
 詳細な原因は不明。火山噴火被害でこのような症状が人体に現れるのは極めて珍しく、栄養失調や感染症などの可能性もある。 
 
 同紙によると、アロン氏は「住民たちは火山噴火以前にこのような症状を示すことはなかった。噴火の際も死者は出なかった。それがここに来て、ゆっくりながら死者が増えており、その数は100人を超えた」と話しているという。 
 
 避難民の多くはマナム島民。現在、避難民キャンプには噴火直後には医療関係者はいたが、現在はおらず、医療設備も貧弱。さらに過去6週間は食料の配給もなくなり、病人を他の地域に搬送する車さえない中、多くの避難民がテントでの生活を強いられているという。援助団体はほとんど現地入りしておらず、援助物資も届いていないか、ほとんど消費されてしまったとみられる。 
 
 マナム火山は昨年10月24日、31日、12月19日などに大噴火を起こし、12月には噴煙を上空1万5000メートルまで吹き上げ、火砕流も発生した。避難民の総数は約1万人とみられている。 
 
 日本政府は昨年12月、プラスチックシート、テント、浄水器、簡水道など約1100万円相当の緊急援助物資を送っている。 


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