2005年05月18日11時23分掲載  無料記事
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イスラエル当局、マハティール前首相のエルサレム入りを禁止

 【クアラルンプール18日=和田等】マレーシアのマハティール前首相が16日、イスラエル当局にエルサレム入りとヨルダン川西岸地区の都市ジェニン行きを禁止され、目的地を訪問できなかったことがわかった。イスラエル当局は今なお、西岸地区のほとんどの町への入域を管理するとともに、 ヨルダンとの国境からヨルダンへの人の動きも管理し、双方からの人の行き来に目を光らせている。 
 
 マハティール前首相は同日、ヨルダンから聖地エルサレムに入り、同地にあるイスラム教徒にとって神聖な場所とされるアルアクサ・モスクなどを訪問しようとした。ところが、イスラエルの当局は前首相がエルサレムに入ることを禁止。そのため、前首相は行く先を西岸地区北部の都市ジェニンに変更した。 しかし、ジェニンに入ることもイスラエル当局によって拒否された。このため、前首相は回り道を余儀なくされ、予定より大幅に遅れて西岸地区のラマラに到着することになっ た。AFP通信が伝えた。 
 
 ラマラでマハティール前首相とともに記者会見を開いたパレスチナ自治政府のアフメド・クレア首相は、「私はこれこそ占領の政治的意志を示したものだと全世界に向かって言いたい」と述べ、イスラエルの姿勢に対する抗議の意を表明した。 
 
 一方、マハティール前首相は「今回はエルサレムにもジェニンにも行かれなかったが、次回の訪問ではパレスチナ国家の首都であるエルサレムに行けることを望んでいる」と語った。 
 
 前首相は2003年10月にマレーシア首相の座を退くまでの22年間の首相在任期間中、パレスチナ解放運動を一貫して支持してきた。また、同前首相は首相の座を退く直前に、ユダヤ人は他人を戦わせ、ユダヤ人のために命を犠牲にさせることで代理人を使って世界を支配しているという「ユダヤ人陰謀説」をほうふつさせる発言を行ない、イスラエルを激怒させたことがある。 


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