2005年08月21日09時48分掲載  無料記事
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名誉毀損訴訟でアンワル元副首相が勝訴

【クアラルンプール21日=和田等】マレーシアのアンワル元副首相が、同氏を誹謗中傷した本「アンワルが首相になれない50の理由」の著者を相手取って起こしていた名誉毀損訴訟で、クアラルンプール高裁は18日、被告に対し、450万リンギット(1億3000万円強)の損害賠償金の支払いを命じる判決を下した。 
 
 著者のカリド・ジャフリ被告(65)は、7月初旬に別件の刑事裁判で、出版によって虚偽の情報を流したとして禁固1年の有罪判決を受けてた。 
 
 アンワル氏は、マハティール前首相政権下で、1998年9月に逮捕、拘束され失脚した。職権乱用などで禁固刑を受けたが、出所していた。 
 
 同氏は、逮捕後の尋問でラヒム・ノール警察庁長官(当時)に殴打され重傷を負ったとして、ラヒム氏に謝罪と損害賠償を求める訴訟を起こしていたが、この問題も最近、ラヒム氏側が謝罪し賠償金(金額は未公表)を支払うことに同意している。 
 
 同氏にとっては勝訴が2件続いたことになる。マハティール前政権時代に考えられなかったような変化の風がマレーシアに吹きつつあることを示す事例ともいえそうだ。 
 
 元副首相はロイター通信に対して、「私にとってこの件はお金の問題ではなく、名誉の問題だ」と語った。 


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