2005年08月25日20時16分掲載  無料記事
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新憲法はサマーワの住民に不人気 26日にデモ予定

 【東京25日=齊藤力二朗】24日付のイラーキ・リーグによると、イラクの新憲法は期待に反しサマーワで全く人気がなく、26日にはデモが予定され、流血の事態になるのではと懸念されている。 
 
 イラーキ・リーグのサマーワ通信員は、国民投票にかけられるイラク憲法は先日の騒動事件が原因で、サマーワでは全く人気がないと伝えた。住民たちは、「憲法に連邦制がなくてもサマーワの生活は前の時代と変わらない。イラク南部に連邦制が認められたら、サマーワ事件で起きたように、バース党員よりも残虐な輩が人民を支配するだけだ」と語り、腐敗した(シーア派有力政党イスラム革命最高評議会配下の)バドル旅団の将校である州知事や、同じく堕落した高官たちによる支配を、サマーワ市民が意に反して押し付けられていることを指摘した。 
 
 こうした高官たちは所属する政党に忠誠心を抱き、州知事解任と公共サービスの改善を求めたデモ隊に対して、ジャーファリー首相の治安機関は、野蛮な鎮圧手段(民衆への発砲)を用いた。 
 
 なお、憲法の草案が発表された日の夜に滑稽(こっけい)な事態が起きた。住民が新憲法を歓迎していると印象付けるために、当局の命令で動く治安軍が警備する民間車両9両が、クラクションを鳴り響かせながらサマーワ市内を巡回したのだ。ところが誰一人この”祝賀劇”には加わらず、企画者の期待は打ち砕かれた。 
 
 (占領軍の撤退を求めているシーア派の指導者)ムクタダ・サドル氏は、ジャーファリー政府が期限内に住民の要求に応えなければ全国規模の平和的デモを実施すると公言していたが、この猶予期間は終了した。そこでサマーワの住民はサドル氏の指示に応えて、26日の金曜日の合同礼拝後にデモを実行する準備を整えている。 
 
 そのため、治安部隊がデモ隊に対して暴行を振るうか、デモ参加者のイメージを傷つけるためにデモ隊の中に暴力行為を起こす人間を潜り込ませることを、住民たちは警戒している。 


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