2005年09月30日00時37分掲載  無料記事
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中国人訪問者50万人に出国記録なし マレーシア入管のずさんさ露呈か

 【クアラルンプール29日=和田等】マレーシアの華字紙・南洋商報はこのほど、2002年から04年の3年間にマレーシアに入国した中国人のうち約50万人に出国した記録がないと報じた。この報道に対して在マレーシア中国大使館領事部の申永先参事官は「大きなショックを受けている」とコメントし、出入国管理当局に詳しい資料の提供を要請する意向を明らかにした。 
 
 同紙によると、出入国管理局の資料では同3年間にマレーシアに入国した中国人訪問者は170万人だが、その中の約30%が出国していない。報道が事実だとすれば、ショックを受けるのは申参事官だけでなく、入管関係者にも衝撃を与えることは必至。 
 
 出国していない外国人は中国人ばかりではない。04年にマレーシアに入国した外国人は1545万人だった。しかし、許可された滞在期間内に出国したのはそのうちの959万人で、586万人には出国記録がないという。つまり、600万人近くが許可された滞在期間を過ぎてもマレーシアに残留しているか、密出国したことになる。マレーシアは多くの国の国民に3カ月の滞在を認めている。 
 
 マレーシアは現在、外国人観光客の誘致に力を入れているが、こうした事態が続けば、国民の間からは「入国管理当局のずさんさと怠慢」を批判する声が出てくる可能性もある。今のところそうした兆候はないが、外国人による犯罪が頻発したり、経済の停滞により職の奪い合いが起こるようなことになれば、入管当局の責任が問われる厳しい状況を招く恐れがある。 
 
 マレーシアには正規登録した外国人労働者が約150万人滞在している。さらに未登録の外国人労働者が約100万人いるとされ、超過滞在外国人で最も多いのが隣国のインドネシア人、次いで中国人という。南洋商報の報道が事実だとすれば、未登録の推定人数を大幅に上方修正する必要がある。 
 
 一方、マレーシア政府は、未登録の外国人労働者の帰国を促すため、昨年10月下旬から今年の2月末まで罰則を科さないでの帰国を認める恩赦措置をとった。この間にインドネシア人を中心に約40万人が帰国した。その結果、製造業や建設業、農園業、サービス業でといった現場中心の職場では労働者不足が深刻化した。 
 
 入管を中心とした当局は当初、恩赦期間が終わった今年3月から未登録外国人労働者の全国一斉摘発作戦を展開すると発表したが、人手深刻な人手不足に直面した経済界からの要請もあり、結局、摘発作戦は徹底実施されないまま終わった。 


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