2005年12月15日13時08分掲載  無料記事
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豪州がインドネシア特殊部隊との合同演習再開へ

  【クアラルンプール15日=和田等】オーストラリアはこのほど、インドネシア陸軍の特殊部隊(通称コパスス)との合同演習を約8年ぶりに再開することを決定した。それによると、オーストラリアの特殊空挺部隊は来年初め、同国南西部パースで実施される「ドーン・クーカブラ」と名付けられた合同テロ対策演習で、コパスス所属の第81部隊に対する訓練を実施す予定。全国紙オーストラリアンが報じた。 
 
オーストラリアは、1999年に東ティモールの独立の是非を問う住民投票をめぐって発生した混乱に、インドネシア国軍が関与していたとして、それまで行っていた両国特殊部隊間の合同演習(1997年実施が最後)をはじめとする軍事協力を停止していた。 
 
 コパススに対しては過去、数々の人権侵害行為を実行してきたとの批判が絶えないが、ロバート・ヒル豪国防相は「オーストラリアに対するテロの脅威が高まる中で、海外に滞在するオーストラリア人の生命や海外のオーストラリアの権益を守るため、コパススなど域内の特殊部隊とともにテロ対策を講じることは国益につながる」として、今回の協力再開の意義を説明した。 
 
 ヒル国防相はさらに「2005年10月のバリ島爆弾テロ事件により、域内諸国との協力推進の必要性が一段と明確になった。インドネシアに滞在するオ−ストラリア国民の安全を確保するためにもコパススのテロ対策部隊との協力は不可欠」と強調した。 
 
 スハルト元政権時代に編成されたコパススの第81部隊は、ハイジャックや人質事件に対する対応を主な任務とした部隊で、豪・イ両国特殊部隊による合同演習でもハイジャックや人質事件での救出作戦を想定した演習が実施される。 
 
米国も今年11月、1999年以来停止していた対インドネシア軍事支援の解除を発表し、武器輸出の再開を決めたたばかり。 
 
 一方、オーストラリア国立大学の戦略・防衛研究センターは昨年発表した報告書で、「オーストラリア軍がコパススとの関係を再開することは不適切で、モラル面でも法的な面でも受け入れがたい」と指摘。 
 
 その理由として同書は、「東ティモールや独立運動が展開されてきたインドネシアのナングロ・アチェ州、西パプア州で長年、人権侵害行為を実行してきたとの批判を受けてきたコパススの改革は今なお実行されていない」と非難した。その上で同書はオーストラリア政府にコパススとの関係再開を思いとどまるよう求めていた。 


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