2006年01月13日06時17分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200601130617065

根津教諭の「君が代」拒否

君が代不起立で処分教員らが提訴 根津教諭が声明

 「君が代不起立・再発防止研修」でゼッケンを着用して研修を妨害したとして、東京都教育委員会から教員11人が減給や懲戒処分を受けた問題で、教員ら5人が11日、東京地裁に損害賠償と研修中止を求める訴えを起こした。減給処分を受けた立川第二中教諭、根津公子さん(55)が処分の妥当性をめぐり以下のような報告と声明を明らかにした。(ベリタ通信) 
 
 
都教委の教育破壊とたたかう皆様へ 
 12月1日、7月21日の再発防止研修の際にゼッケン等着用と質問行為をした私を含める10人と、欠席した1人に対し、懲戒処分があったことはご存じかと思います。 
 
 さて、今度はその処分にかかわり、新たに再発防止研修命令(1月19日および減給被処分者には、もう1日)が発令されました。服従しない者は徹底的に叩き潰そうとする都教委に対し、抗議と闘う意思表示はその都度しようと思います。色々な意思表示、対処の方法があるかと思いますが、私を含む5人の対象者は昨1月11日、東京地裁に執行停止申立をしました。 
 
 
 
服務事故再発防止研修の中止を求める声明 
 
 2005年12月1日東京都教育委員会は、2005年の卒業式および入学式で、処分を受けた教職員に対して行った「服務事故再発防止研修」の会場において「ゼッケン等の着用」などを理由とし、それを職務専念義務違反・信用失墜行為であるとして10名に懲戒処分(減給1ヶ月1名・戒告9名)を行いました。 
 
 また、東京都教育委員会及び新宿区・練馬区・日野市・立川市の各教育委員会はこの10名の教職員に対して、再び「服務事故再発防止研修」への出席命令を発令しました。2006年1月19日(AM10:00〜11:40)、東京都総合技術教育センターにて「服務事故再発防止研修」を受講(減給被処分者に対しては「後日指定する」日時にもう1度)するようにという内容です。 
 
 一回の不起立を契機として、春に処分→夏に再発防止研修→冬に処分→さらに再発防止研修と、被処分者に対して、何度も何度も繰り返し「転向強要」を迫る都教委の手法は、まさに「がん細胞は徹底的につぶす」(2004・4・8)という鳥海教育委員の発言通りです。昨年12月の都議会において中村教育長は、「10.23通達」体制の強化と、生徒に対しさらなる「日の丸・君が代」の強制を行う旨の答弁をしましたが、こうした方針もまた、被処分者に対し何重もの「転向強要」をすることによって達成しようとしています。 
 
 私たち5名は本日、「服務事故再発防止研修」で被る精神的苦痛への損害賠償と研修の中止を求めて各教育委員会を提訴しました。 
 
 「君が代」処分にかかわる「服務事故再発防止研修」については、「思想・信条の自由」との関係で、東京地方裁判所も繰り返し懸念・警告を表明してきました。また、係争中の事案にもかかわらず既に処分が決定しているかのように行われる研修には全く納得できません。特に今回は人事委員会に審査請求できる60日もまだ経過していません。 
 
 また、今回の研修の理由とされた12月1日の処分は、処分内容も手続き的にも不当であるだけなく、あまりに杜撰な処分です。処分説明書には事実に反する事が書かれています。まさに見せしめの為の処分としか思えません。私たちは処分された他の仲間と共に処分の撤回を求めて人事委員会への審査請求も準備しています。 
 
 東京都教育委員会及び新宿区・練馬区・日野市・立川市の各教育委員会は来る1月19日に予定する「服務事故再発防止研修」をすみやかに中止するよう、また、「日の丸・君が代」処分やゼッケン処分を撤回し、教育への不当な支配・介入を止めるように求めます。 
 
2006年1月11日 
 
 申立者の5人の名前(所属校名)をここに列記していますが、ここでは割愛します。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。