2006年03月16日19時37分掲載  無料記事
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「イラクの発電所破壊は米軍の仕業」  関係者が真相を暴露

  【東京16日=齊藤力二朗】イラクの首都バグダッドの市民が停電と断水で苦しむ中、米軍は同市内の主要発電所を破壊した上、抵抗勢力の“犯行”としその罪をなすりつけた。イラクやアラブのメディアは米軍報道をそのまま報じているが、15日のイスラム・メモが配電技術課長の証言を引いて真相を伝えた。 
 
 イラクとアラブの報道機関は、イラク抵抗勢力が15日朝、バグダッドの発電所が放火され、広範な周辺地域や病院が停電になったと報道したが、バグダッド中央部電気システムの技術課長セイフ・アムリー技師は、「発電所の破壊は抵抗勢力、一般メディアが言う『テロリスト』ではなく、米占領軍兵士の手によって起こされた」と明かした。 
 
 アムリー技師は本紙の通信員に「バグダッド中心部、ビスケット工場近くにある発電所が15日、米海兵隊員の激しい砲撃により炎上、蒸気発電機が破壊された。砲撃の前に、この発電所の近くで3人の米兵が狙撃、殺された」と語った。 
 
 同技師はさらに次のように話した。「作業員4人が(米兵によって)拘束されたが、残りの作業員と技術者たちは逃げ出せた。占領軍がこの重要な発電所を破壊した理由は、これを警備する任務から逃れるためだったと思う。この発電所は、4日ごとに米軍が交代で警備しなければならなかったのだ。3人の海兵隊員が狙撃で殺害されたことが、発電所を破壊する口実に使われた。その証拠は、事件後に占領軍が現場から姿を消し、『テロリストたちが長距離ロケット弾で発電所を破壊した』と強弁したことだ」 
 
 一方、イラクの全てと一部のアラブのメディアは、この事件を、「武装抵抗勢力による犯行」と報じたため、報道内容を正しく精査する必要がある。米軍は自軍に都合のよい記事を書かせるため、多額の報奨金(賄賂)をイラクやアラブのメディアや記者たちに払っていることは米国メディアによって暴露されてきた。 


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