2006年05月01日02時20分掲載  無料記事
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アリオ亀有で人気の「こち亀ゲームぱ〜く」 

 東京・葛飾区で「再生」を目指す動きが起きている。同区亀有に都内最大級のショッピングセンターもその一つで今春オープンし、様々な店舗が入居し、活況を呈している。映画館なども多数入っているが、特に漫画の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のキャラクター・グッズを売る店には多くの客が集まり、子どもから大人までに幅広く人気を呼んでいる。(日刊ベリタ=和田等) 
 
 葛飾区は、分譲マンションのポータルサイト「新築HOMES」が2005年10月に発表した東京23区の居住環境をめぐる区民アンケート調査で、「住み心地の良さ」の面で最下位に位置づけられた。 
 
 その汚名返上の目玉になりそうなのが、同区亀有に都内最大級のショッピングセンター「アリオ亀有」で3月にオープンした。 
 
 横288メートル、長さ230メートル、高さ26.18メートルのアリオ亀有(店舗は三階まで)には122店とイトーヨーカドーが入居。10シネマを擁するシネマコンプレックス、MOVIXも入居している。 
 
 また3階には、キャラクター・アミューズメント施設「こちら葛飾区亀有公園前派出所 こち亀ゲームぱ〜く」が入居している。 
 
 「こち亀」といえば、もちろん秋本治原作の漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のこと。 
 
 この漫画の少年ジャンプでの連載が始まったのは1976年にさがのぼる。つまり、今年で30周年を迎え、連載回数は1000回をゆうに超え、単行本149巻にいたる「超」長寿漫画なのである。しかも、作者の死でもう新作が生まれない「サザエさん」と違い、まだ続いている、世代を超えた国民的人気作品のひとつというところだ。 
 
 秋本治は、実は「こち亀」の連載を始める前はベトナム戦争をテーマにした漫画を描くなど、「硬派」の漫画家だった。しかし、山上たつひこの「がきデカ」のヒットに刺激を受けて、ギャグ路線に入り、「こち亀」を生み出した。連載開始当初は「山止たつひこ」を名乗っていたことにも、山上たつひこの影響が大きかったことがうかがえる。 
 
 偶然にもアリオ亀有のオープン日が(こち亀の主人公)両さん(両津勘吉)の誕生日と同じ3月3日にあたった。 
 
 森下将史・こち亀ゲームぱ〜く店長は、ゲームセンターという性格上、「訪れるお客さんはやはり子ども連れの方が多い」という。「あちこちで宣伝していただいたおかげで、遠方からこち亀ファンという方が見学に来る例もけっこうある」 
 
 「1000個用意したオリジナル・グッズ第一弾の『両さん ぬいぐるみ』(景品用)はあっという間に終了しました」というところにも同ぱ〜くの人気ぶりがうかがえる。 
 
 では、同ぱ〜くの簡単な案内を。 
 
1)入り口付近にあるのが亀有下町ゾーン。原作中の亀有を再現した空間で、ライド機やアミューズメント機器を楽しめる。施設左手に位置する「亀有公園前派出所」内にはバンダイの協力のもと、原作に登場する玩具「両津勘吉超合金」や「アクションドールシリーズ(全6種)」(いずれも絶版)などが展示されている。 
 
2)中央部には浅草仲見世通りを演出。施設奥面に「櫓」を頂き、まっすぐ伸びる浅草雷門の仲見世通りがそこに再現されている。「盆踊り」をイメージした仲見世通りの両脇には提灯が並び、「お祭りムード」のにぎやかな雰囲気の中、夜店感覚で様々なプライズゲーム(賞品取りゲーム)が楽しめる。ここでしか手に入らないこの施設限定のアミューズメント専用景品として投入された「両さん ぬいぐるみ」は、前記のようにすでに品切れ。 
 
3)下町ゾーン。「こち亀」原作の中でも両さんと深く関わり、地元の人たちが最も「懐かしい」と感じる下町の象徴「勝鬨橋」と、「お化け煙突」をチェンジングシート(見る角度をかえると絵柄の変わる板素材)で再現。 
 
4)浅草花やしきゾーン。原作中、ファンから最も愛されている話のひとつ、「浅草七つの星物語」の舞台となった「浅草花やしき」を再現。 
 
 このぱ〜くのテーマのひとつは「失われたものへの郷愁・憧憬」にあると直感した。駄菓子屋を再現したセットの前で懐かしさがこみ上げてきた。 
 
 このぱ〜くの課題は「思ったより場所が狭かったといわれるお客様もいます」(森下店長)というように、どうやってさらに広がりを持たせるかにあるようだ。 
 
■こち亀ゲームぱ〜く 
東京都葛飾区亀有3ー49ー3 
アリオ亀有3F 
電話:(03)3602−5820 


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