2006年05月12日10時46分掲載  無料記事
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マレーシア内務省が共産主義者を描いた映画の上映を禁止

【クアラルンプール12日=和田等】封切り間近だったマレーシアのアミール・ムハマド監督の映画「レラキ・コミュニス・テラヒール(最後の共産主義者)」に対して、内務省傘下の国家映像検閲庁は上映を許可していたにもかかわらず、内務省が上映禁止措置をとったことが各方面で議論を呼んでいる。この映画の配給会社レッド・フィルムは、内務省から上映禁止を通達する書状を5日にファックスで受けとった事実を明らかにした。 
 
 この映画は、5月18日にペナン州や首都圏のシネマ・コンプレックスにあるゴールデン・スクリーン・シネマで封切られる予定だった。非合法組織化されたマラヤ共産党のチン・ペン元書記長(現在タイに亡命中)の半生と業績にヒントを得て製作されたセミ・ミュージカル・ドキュメンタリー。 
 
 上演禁止措置をとったことに関してタン・チャイホー副内相は、「映画の上映を望まない人が多数存在することを考慮して上映禁止を決めた」と説明した。 
 
 一方、マレーシア独立ジャーナリズムセンターは、「ラジ・シーク内相が『絶対的な自由裁量権』を行使して映画の上映を禁止したことを考慮すれば、今回の決定には説明責任や透明性を欠いていると言わざるをえない」と批判的な見解を発表した。なお、マレーシアの映像検閲法では、内相には映画の上映禁止決定理由を説明する義務はないと規定している。 
 
 また全国人権協会は「映画の上映禁止決定は、棺に入れられたわが国の芸術の表現にさらに釘を打ち込むようなものだ」と批判している。 


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