2006年05月15日09時12分掲載  無料記事
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憲法と安保条約を逸脱して「日米軍事一体化」へ進む日本 池田龍夫(ジャーナリスト)

 「日米軍事一体化」は、枠組み強化へますます進んできた。外務・防衛担当閣僚による「日米安全保障委員会」(2プラス2)は5月1日、在日米軍再編の最終合意にこぎつけた。超軍事大国・米国は「9・11テロ」以降、世界戦略の全面見直し、いわゆるトランスフォーメーション(米軍再編)を推進している。全世界5地域で展開している「地域別統合軍」のうち、日本が加担しているのが「太平洋軍」。太平洋全域とインド洋、東アジア、東南アジア、オセアニアが対象地域で、「不安定の弧」への即応体制に重点があることは明らかだ。 
 
 米軍再編に関して日米両政府が最終合意した「共同発表文」「再編実施のための日米ロードマップ」を通読して、「日米同盟がアジア太平洋地域における平和と安全の要」との基調で貫かれ、平和憲法・日米安保条約を形骸化させる�狷�米軍事一体化�瓩慮充造望弖發鮗�ける。湾岸戦争以降の国際情勢激変に、日本外交は右往左往してきたが、「9・11テロ」後の小泉政権の対米追従は突出している。「ショー・ザ・フラッグ」の米国の要請に応えて、インド洋へ海上自衛艦さらにイラク・サマワへの陸上自衛隊派遣を強行した。「憲法」を無視したばかりでなく、「日米安保条約」からの逸脱も認められ、今回の「米軍再編・日米合意」は�犒�法・条約の順守義務�瓩飽稟燭靴匿篆覆靴燭發里斑任爾兇襪鯑世覆ぁ� 
 憲法違反については論ずべくもないので、安保条約に関し再考してみたい。1960年6月19日、空前の大混乱の末に成立した「改定・日米安保条約」は、戦後日本の防衛指針になってきた。岸信介内閣の時に強行可決したこの安保条約が、その衣鉢を継ぐ小泉純一郎内閣によって�犢�抜き�瓩砲気譴晋充造法�二重の驚きを感じる。そもそも「安保条約」には、いかなる条文が規定されているか…。日本防衛に関する主要条文には、次のように明確に規定されているのである。 
 
 ▼第5条(共同防衛)�ヽ督�約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の敵に対処するように行動することを宣言する。 
�∩圧�の武力攻撃及びその結果として執った全ての措置は、国際連合憲章第51条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない。 
 ▼第6条(基地の供与)�‘�本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。 
�∩圧�の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、1952年2月28日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第3条に基づく行政協定(改正を含む)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規定される。 
 
 いわゆる「極東条項」が明記され、日本政府は「フィリピン以北が�犇謀譴糧楼廊瓠廚筏�定し、駐留米軍の行動範囲を限定してきた。ところが、1999年の日米防衛協力指針(新ガイドライン)成立により大きく変質し、なし崩し的に自衛隊の行動も米軍の行動範囲も拡大され続けている。インド洋へ、イラクへと、�犹�止め無き�畆�衛隊派遣の既成事実が形成されてしまったのである。 
 さらに、岸首相・ハーター米国務長官が交わした「条約第6条実施に関する交換公文」には、「合衆国軍隊の日本への配置における重要な変更、同軍隊の装備における重要な変更並びに日本国から行なわれる戦闘作戦行動(条約第5条の規定に基づいて行なわれるものを除く)のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用は、日本政府との事前の協議の主題とする」と明記されている点を重視しなければならない。いわゆる「事前協議」で、米政府は確約したはずなのに義務を履行せず、�猜瞳各伴�の判断�瓩粘霖呂魃人僂靴討�たのが実態である。 
 また条約第3条(自衛力の維持発展)に明記した「締約国は、個別的に及び相互に協力して、持続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる」との取り決めが履行されてきたかどうか、�犒�法無視�瓩良�潮がますます増幅してきた現実が恐ろしい。 
 
 憲法と日米安保条約を改めて読み直したうえで、今回の「米軍再編」を検証すればするほど恐るべき実態に直面する。米陸軍第1軍団司令部の座間移転、沖縄駐留海兵隊のグアム移転費7000億円の日本側負担要求、さらに普天間飛行場の辺野古移設など、米国主導で事が進められてきた。「日米同盟協力」の美名のもとに�犒鎧�一体化�瓩�進行、「何時か来た道」を招来する危険なしとしない。 
 
*池田龍夫氏は元毎日新聞記者 
(本稿は、「新聞通信調査会報」5月号に掲載された「プレスウォッチング」の再録です) 


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