2006年07月05日08時43分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200607050843543

「命こそ宝」掲げ、署名提出130回  首相官邸、米大使館に 毎月4日に沖縄出身者らのグループ

  【東京5日=加藤宣子】米国独立記念日の7月4日、市民グループ「命どぅ宝(ぬちどぅたから:沖縄の言葉で命こそ宝)ネットワーク」の首相官邸と米国大使館あて署名提出行動は130回を数えた。太田武二さんたち沖縄県出身者を中心に、署名提出行動を開始したのが、1995年9月4日の少女暴行事件の1ヶ月後の10月4日。以来11年間、命どぅ宝ネットワークは毎月4日に欠かさず署名提出行動を行ってきた。街頭でサンシンを弾いたりしながら署名を集め、提出してきた。署名累計は3万6127筆になる。 
 
 毎月4日の行動は首相官邸側でも「恒例」となっており、担当者が官邸前まで署名を受取りに出てくる。今回は、特に嘉手納に配備するミサイルについての申し入れをした。北朝鮮のテポドン騒動を理由にした嘉手納空軍基地へのミサイル配備は、「沖縄の負担軽減」とはかけ離れたものではないかと首相官邸の担当者に申し入れたが、署名は受け取ってもらえず、内閣府の担当者に渡した。130回目の行動は、市民6人に、30名以上の制服警官による警備体制のなかでの署名提出行動となった。 
 
 続いて赤坂の米国大使館前は、独立記念日を祝う来客用のたくさんの黒塗りハイヤーに囲まれての署名提出となった。参加者は大使館のだいぶ手前から警察官の指示どおりにしか歩かせてもらえず、「戒厳令下」さながらだ。参加者の一人は「戦争中だからね」と苦笑いをする。首相官邸前と同様、ミサイルの嘉手納基地への配備について質問し、担当の日本人職員に署名を渡した。 
 
 この行動をずっと続けている島袋陽子さんは、「早く終わりにしたいのだけれど、始めたときから状況は変わっていないから(やめることはできない)」と語る。 
 
 11年の間に首相がかわり、社民党の村山首相時代は官邸に入れてくれることもあったという。命どぅ宝ネットワークは署名提出活動と同時に、沖縄のミュージシャン達と一緒にコンサートを催す活動も続けている。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。