2006年08月10日15時16分掲載  無料記事
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バンコクやプーケット攻撃の可能性も排除せず タイ南部の分離独立派組織

  【非同盟運動ニュース・ネットワーク(NNN)=ベルナマ通信】イスラム教徒が多数派を占めるタイ南部のヤラー、ナラティワート、パタニ県の分離独立を主張し中央政府との闘争を繰り広げているパタニ統一解放機構(PULO)が、マレー語を話す地元の人たちに対する抑圧的な戦術をタイ政府がとり続けるのであれば、首都バンコクや観光地のプーケットでの攻撃を仕掛ける可能性も排除しないとの警告を発している。 
 
 亡命先のスウェーデンでタイ字紙のインタビューに応じたPULOのカツリ・マクタ外務部長は、「マレーの解放組織」のいずれかのグループがタイ南部以外の地域で攻撃を仕掛ける可能性があることを示唆。一方でこれまでにタイ南部で起こった大規模な攻撃にPULOが関わっているのかどうかついてのコメントは避けた。 
 
 1970年代から武装闘争を始めたPULOは、2000年初めまでの10年ほど武装闘争を控えてきたが、2004年以降に再び活動を活発化させ、爆弾テロや警察署や政府施設への攻撃、政府職員への銃撃事件などに関わっているとされている。04年以降06年半ばまでにおけるこうした攻撃によるタイ南部での死者数は1300人以上に達した。 
 
 その一方でカツリ部長は、PULO指導部はタイ南部で起こっている暴力事件と多数の死者が出ていることを懸念しているので、政府と和平交渉に入ることも考慮していると語った。 
 
 同部長はまた、「タイ南部で起こっている暴力事件をすべて分離独立闘争にかかわっているグループの仕業にしようとする傾向があるが、治安機関の中には新たな反政府グループが登場し、暴力事件を起こしているとの見方をする向きもある」と語り、PULOの影響力下にある組織とは別のグループが出現していることを示唆した。 
(翻訳=ベリタ通信・和田等) 


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