2006年09月26日11時14分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200609261114382

襲われた女性が逆襲し殺し屋を絞殺 夫が妻殺害を依頼と判明

 米オレゴン州ポートランドにある自宅に、看護婦が戻ってきたところ、家の中に潜んでいた男が突然、釘抜きハンマーを振りかざして襲ってきた。二人は取っ組み合いになり、看護婦は必死の思いで、男の上に馬乗りになった。そこで渾身の力を振り絞って男の首を絞め続けた。間もなく男は身動きしなくなった。警察が駆けつけ、看護婦の自宅廊下で死亡している男を発見した。当初は看護婦が泥棒を取り押さえた事件と思われたが、その後事件は思わぬ展開に──。(ベリタ通信=江田信一郎) 
 
 米紙オレゴニアン(電子版)などによると、看護婦のスーザン・クナウセンさん(51)が自宅に戻ったのは9月6日の午後6時ごろ。車をガレージに入れ、裏ドアから自宅に入り、防犯用のアラーム装置のスイッチを切った。その後郵便物を集め戻ってきたところ、突然黄色の手袋をはめた男が、ハンマーをかざして襲ってきた。 
 
 男はスーザンさんの頭を数回打ったが、必死の思いの彼女はハンマーを奪い取るのに成功した。その直後、二人は通路にもんどりうって倒れ込んだ。今度は男がスーザンさんに噛み付いた。スーザンさんも負けずに噛み付き返した。 
 
 壮絶な生死を賭けたバトルが展開された。スーザンさんは、女性としてかなり体格がいいほうだという。これが最終的には有利に働いた。 
 
 男は、スーザンさんに組み伏せられる格好になった。スーザンさんは男の首を両手で絞め続けた。男が静かになったため、隣家に助けを求め、「911」(消防・警察)通報した。 
 
 駆けつけた警察官が、通路で死亡している男を発見した。スーザンさんと男の間にどの程度の体格差があったのかは不明。 
 
 警察のその後の調べでは、男の死因は窒息死だった。現場にあった財布から男は、エドワード・ダルトン・ハフィー(59)とわかった。 
 
 警察は、スーザンさんの行動は正当防衛の範囲内と判断し、また当初は、男が泥棒に入ったものの、スーザンさんが帰宅したため、強盗に居直ったと考えた。 
 
▼夫が殺害を依頼 
 
 ところが、現場に遺留された男のバックパックに中から、メモ帳が見つかり、事件の2日前に、夫と電話で話し合っているのが確認された。さらに夫の携帯電話の番号を走り書きした紙も見つかった。 
 
 さらに調べると、ハフィーはビデオショップで働く夫のマイケル・ジャームズ・クナウセン(58)の部下であることも判明した。もうこうなると、ハフィーは単なる泥棒ではなく、夫によって雇われた殺し屋との疑いが濃くなった。 
 
 夫は事件の翌日、質店で拳銃を購入し、自殺するとの書き置きの残して姿を消したが、その後拘束。9月中旬、殺人謀議などの罪で起訴された。 
 
 今のところ、犯行の動機ははっきりしていない。また殺害をどのような条件で依頼したのかも、実行犯の死亡で解明できずにいる。 
 
 スーザンさんと夫は離婚の協議が続いていたが、夫は離婚を望ます、関係修復を望んでいたという。この離婚問題が、何らかの形で関係している可能性は大きいとみられている。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。