2006年11月09日19時12分掲載  無料記事
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盗品含め金属の輸出禁止に 東ティモール政府

 【クアラルンプール9日=和田等】騒乱で破壊された家屋などから盗まれた電線ケーブルやくず鉄などの金属類を売買し、輸出している悪徳業者が存在することから東ティモール政府は8日、くず鉄などすべての金属の輸出を一時禁止する措置を決定した。 
 
ラモス・ホルタ首相は「盗品の金属類が売買されているのは明らか。政府はこうした不正行為を見逃すことはできない」と指摘、輸入禁止決定の理由を説明した。 
 
 東ティモールでは今年4月から6月にかけて騒乱が起き、市民ら30人以上が死亡したほか、人口の15%に当たる約15万人が国内難民となり、今なお帰宅できない人も多い。 
 
このため首都ディリ内外などには、破壊されたり、一時的に無人となった家屋や建物が多数存在し、こうした建物からくず鉄や電線などの金属製品を盗み、加工して輸出する業者が出ている。 
 
 この違法行為を防ぐため政府は、新たな通達を出すまですべてのくず鉄の回収、商用化、輸出を一時的に禁止するとの措置を閣議決定した。 
 
 それによると、違法にくず鉄などの回収や輸送を行った業者に対し、営業許可や会社登記を取り消すなどの法的措置をとるとしている。 
 
 騒乱の発生で家屋から追われた住民らの生活困難をよそに、こうした悪徳業者がはびこるのは、同国の不安定な社会状況がいかに同国民のモラル低下を招いているか、その厳しい一面をのぞかせている。 


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