2006年11月16日11時34分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200611161134514

イスラム経済の”メッカ”目指すドバイ 初の国際イスラム投資市場創設へ

【東京16日=齊藤力二朗】イスラム銀行が世界的に伸張している中、アラブ湾岸地域の金融センターになっているアラブ首長国連邦(UAE)が、自国の投資市場を世界初の国際的なイスラム式投資市場に拡大する意欲的な取り組みに着手した。10日付のサウジアラビアの日刊紙「アル・リヤード」が報じた。イスラム法は投資は認めているが、不労所得や利子は禁じている。 
 
 ドバイ投資市場当局はこのほど、同市場を初の世界規模のイスラム投資市場に転換する手続きを開始すると発表した。今回の措置は、ドバイ投資市場が最近、UAEのファトワー(イスラムの法的見解)を出す諸機関やイスラム投資市場への監督機関・調整委員会から転換の同意を得たことに基く。 
 
 ドバイ投資市場のイーサー・カーズィム局長は、「初の世界的イスラム投資市場への転換は、投資市場界での先駆的な大飛躍。今回の措置は、イスラム法順守の取引を望む多くの地域企業や投資家の要望に応えたもの」と語る。同局長は続けて次のように語った。 
 
 「我々の年次報告書は、市場当局が常にイスラム法に合致した投資案件に全余剰流動資金を投資するよう奨励し、その収益の98%がイスラム法に合致し、2%のみ従来の手数料であることを示している。よって、イスラム投資市場への転換決定が論理的で戦略的なものであることが分かる」 
 
 「ドバイ市場当局によるイスラム投資市場への転換決定は、イスラム経済やイスラム法に則った投資への世界的な関心の高まりの結果で、ドバイがペルシャ湾岸地域と世界のイスラム経済の”メッカ”を目指す指針に沿っている」 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。