2006年11月29日09時54分掲載  無料記事
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児童・生徒の自殺防止対策に着手へ マレーシア厚生省

 【クアラルンプール29日=和田等】日本ではいじめを原因とする子どもの自殺が社会問題化しているが、マレーシアでも厚生省が子どもや10代の少年少女がいじめや試験のプレッシャーによって自殺に走らないようにするための対策に乗り出す。日本の文部科学省にあたる教育省ではなく、厚生省が子どもの自殺防止対策に乗り出すことが目をひく。 
 
 同省家族保健開発局のナリマ・アウィン局長によれば、マレーシアでは現時点では子どもや10代の自殺が自殺件数全体に占める比率はまださほど高くないが、子どもの自殺が増え対策が困難になる前に自殺防止プログラムを導入することにしたという。 
 
 また、同局長は「来年早々にも外国人コンサルタントを招聘して、どんなプログラムが必要なのかについての助言を得る」と語った。 
 
▼病苦による自殺 
 
 一方、疾病と負傷による負担調査によると、2000年のマレーシアでの疾病や負傷に悩んでの自殺者数は1539人だったが、このうち1098人が男性だった。 
 
 マレーシアの自殺率に関して、ナリマ局長は「自殺には報告されないものが多いので、自殺率は10万人あたり14〜15人と推定している」と語った。なお、マレーシアの公式の自殺率は人口10万人あたり9.8人。 
 
 またマレーシアの3つの病院で実施した「国民自殺登録」の第1期調査によれば、昨年10月から今年5月までの間に病院で自殺した人の数は47人だった。このうちクアラルンプール病院で自殺した人が22人で、ジョホール州ジョホールバルのスルタナ・アミナ病院での自殺者が24人、パハン州クアンタンのテンク・アンプアン・アフザン病院での自殺者が1人となっている。 


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