2006年12月01日14時19分掲載  無料記事
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ナツメヤシから燃料生産へ 産油国アルジェリアの企業が計画

  【東京1日=齊藤力二朗】サトウキビやトウモロコシからつくるバイオエタノールが代替燃料として話題になっている中、有数の産油国であるアルジェリアの企業がバイオエタノールを、(干したナツメヤシの実で食用にするかソースの原料などに使われる)デーツから製造する計画を発表した。11月25日付のミドル・イースト・オンラインが報じた。ナツメヤシの実は糖度が高く、サウジアラビアなど禁酒国ではそれを利用したアルコールの密造が盛んだ。 
 
 アルジェリアのバイオテクノロジー企業「ナヒール」社はこのほど、今月2日から同国西部ワハラーンで開催される「ソナトラック(アルジェリア炭化水素公社)科学技術フェア」で、デーツからの燃料製造を目指すと発表した。 
 
 首都アルジェに本社を置く同社は、「デーツから取り出し、再生産が可能な燃料としてバイオ・エチルアルコール(バイオエタノール)を製造するプロジェクトは、当社の最大の事業になる」と強調した。 
 
 また、バイオエタノールを製造するための1次原料は、デーツ販売業者での売れ残り品を使う予定という。 
 
 デーツを原料とするバイオエタノール製造工場は来年アルジェ近郊に建設される見込みだが、生産開始時期は不明。同社はこのプロジェクトの調査に5年を要したとしている。 
 
 なお、アルジェリアのナツメヤシ成木は約1000万本に達し、東部のアル・ワーディー、ワルグラ、バスカラ各州で特に多く生育されている。 
 
 (訳注)ナヒール社 社名のナヒールは「ナツメヤシの木」の意。ほとんどが輸出に向けられている「ダクラト・ヌール」など多種類のデーツを生産している。他にも国内消費用の品種や、消費には不適な低質種も生産している。 


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