2007年01月16日11時06分掲載  無料記事
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マレーシア首相が事業認可の迅速化を要求 国内投資への影響懸念

 【クアラルンプール16日=和田等】マレーシアのアブドラ首相が11日、政府の幹部職員約3000人を前にしての講演で、外国の投資家に対する認可手続きを迅速化するよう政府機関に求めた。首相は世界銀行の報告書を引き合いに出し、工場建設の認可が出るまでにマレーシアでは281日かかるが、タイでは127日、ベトナムでは133日で認可を得ることができると指摘。手続きの過程が多すぎることが投資家に対する認可手続きを遅くしていると語った。地元紙スターが報じた。 
 
 首相はまた、「世銀の報告書では、投資家が工場を設立するためにマレーシアでは25の手続きを経なければならないが、シンガポールでは11、タイは9、ベトナムは14で済むと指摘している。また事業を始めるためにマレーシアでは9つの手続きを経る必要があり、それには30日かかる。しかし、シンガポールでは5つの手続きに6日間、オーストラリアでは2つの手続きで2日間で済む」とも語り、マレーシアの手続の煩雑さの弊害をあらためて喚起した。 
 
 首相はこれに対処し公共部門の競争力を高めるため、シデク・ハッサン政府首席秘書を班長とする特別作業班の設立を明らかにした。 
 
 さらに首相は、「過剰な官僚主義による手続きの遅れは意図的なものであり、汚職が関わっているとの認識を持たれている」と指摘、「マレーシアはほかの国と競争しようとしているのに、いつまでも『カンポン』(村社会)のレベルにとどまっているわけにはいかない。私たちは国際化の流れの中に入っているのだから」と問題提起した。 


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