2007年04月13日23時11分掲載  無料記事
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これで「安全」と主張? 多数の武装兵士に囲まれた新米国大使

 イラク戦争は情報戦、心理戦になっている。治安回復にてこずる米国は様々なメディアを総動員してイラクの治安回復が進んでいることをアピールしようとしている。その典型例が、新任の米国大使がバグダッド市内を自由に散歩している写真だ。12日付のイラク・パトロールは軽妙で辛辣なコメントを付けてその写真を掲載した。(齊藤力二朗) 
 
 米軍管理区域(グリーン・ゾーン)の新しい支配者であるクローカー米国大使(写真中央)は、イラクの市場を歩き回ることで現実に(米国主導の)治安改善作戦が成功したことを示そうとしている。 
 
 だがこの写真は、実際の「安全」とは、程遠いことを示している。防弾チョッキを着用し、いすに腰をおろした大使の近くには誰一人(イラク)市民が見えない。びっしりと周囲を兵士が固めている。 
 
 市場の散歩というのは、マリキ首相を始め、米議員団、新任大使と続いている新慣習だ。マスメディアを使ったプロパガンダ戦略による散歩作戦だが、占領の象徴である夜間外出禁止令は続いている。都合のよい「安全」がこうして作られる。 
 
 
http://www.iraqpatrol.com/hasad/croker.jpg 


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