2007年05月28日10時32分掲載  無料記事
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仏社会党のロワイヤル氏が今後の政治活動で発言か TV出演へ

 ニコラ・サルコジ氏にフランス大統領選挙で敗北した社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル氏が政治の舞台に戻ってくる。彼女は敗北後、表舞台から消え、子ども4人を連れてチュニジアでバカンスを過ごすなど、政治的発言は控えてきた。ロワイヤル氏は28日夜、長い沈黙を破って、国営テレビ「フランス2」の番組に出演し、今後の政治活動について発言するとみられているからだ。(及川健二) 
 
 番組は司会者の男性とロワイヤル氏が2人で議論する構成になっており、6月10日、17日に行われる下院議会議員選挙に関して発言するものと思われる。 
 
 週刊「日曜新聞」のインターネット版では26日、「ロワイヤル氏が指導部に戻ってくる」と題した記事が掲載された。 
 
 記事では「社会党の重鎮が3人、サルコジ政権に抜擢され、社会党のフランソワ・オランド党首は辞意を表明した」「彼女はこの混乱の中で、表に出て社会党をリードしていく意志を持っている」「ロワイヤル氏は遭難船(社会党)の舵取りを再びすることを決断した」と書いている。 
 
 社会主義のイデオロギーに凝り固まった幹部が多い中で、ロワイヤル氏は脱イデオロギー色を前面に出し、旧態依然とした党執行部に新風を吹き込んだ。そのことから、ロワイヤル氏の人気は社会党の支持者の間ではダントツで高く、他の党首候補を支持率で大きく引き離している。 
 
 しかし、党内からはロワイヤル氏への批判の声も上がっている。リヨネル・ジョスパン左派連立政権で3年間、教育相を務めた社会党のクロード・アレーグル氏は「日曜新聞」の取材に対して、「ロワイヤル氏には党首としての才能はない」と批判。 
 
 またアレーグル氏は、社会党の幹部でパリ市長のベルトラン・ドラノエ氏が「社会党を刷新する能力のある唯一の人物だ」と述べ、新党首に相応しいとの見方を披露し、「彼は社会主義者としての真っ当な信念を持ち、能力・才能もある」と評価した。 
 
 一方で、ロワイヤル氏の側近でヴァンサン・ペイヨン欧州議会議員は「ロワイヤル氏が党首に就くのが筋だ。大統領選の決選投票で彼女はあらゆる左派から支持される統一候補となり、約1700万票獲得した実績がある」と反論する。 
 
 カリスマを欠く社会党で、「現代のジャンヌ・ダルク」と形容されるほどまでに一躍、人気政治家になったロワイヤル氏が再び政治の表舞台に戻り、社会党の救世主となるだろうか。 


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