2007年06月08日13時19分掲載  無料記事
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年金問題で独自色目指す

 田中康夫・前長野県知事(51)が代表を務める新党日本は7日、党ホームページ上で今夏の参院選に掲げるマニフェスト「新しい日本宣言。おかしいことは、変えていこう」を公表した。新党日本は田中代表とジャーナリストの有田芳生氏(55)を比例区に擁立することを決定している。同党は東京都や大阪府など都市部の選挙区で独自候補の擁立も検討しており、比例区ではさらに候補者を擁立する方針だ。(及川健二) 
 
 田中氏は4日の出馬会見で、「年金、教育問題、財政問題、ハコモノ行政など、今の日本にはおかしいことがたくさんある。永田町と霞が関が作り上げたシステムは制度疲労を起こしている。誇り、夢のある日本にするため、従来の発想を変え、仕組みを改めていかなければならない。『長野革命を日本へ』という思いだ」 
 
 また「人口減少が進む中で夢と希望を持てる日本をつくりたい」と意欲を語った。 
 
 比例区を選んだ理由については、「(落選した)昨年の長野県知事選で、約半数の長野県民は私に長野以外でも活躍せよと言った。私の活動を他の都道府県で支援してくれた方のためにも、比例で『信じられる日本』をつくる」と語った。 
 
 有田氏は「テレビのコメンテーターを12年務め、このままの日本ではいけないと思うようにいたった。年金や教育などの問題で政治への信頼が失われている。『政治を変えなければならない』と強く思った。田中代表とともに日本を変えたい」と出馬の動機を述べた。 
 
 同党のマニフェストは4つの柱から成る。中でも、注目されるのが斬新な年金政策だ。新党日本は毎月の積立実績と将来の支給金額を明確に印字する「年金通帳」の導入を提言している。 
 
 田中氏によれば、「現在の年金手帳には、加入年月日が記されているのみ。何歳から幾ら貰えるのか、国民の多くは疑心暗鬼です」「通勤通帳により国民と国家が信頼の契約を結ぶのです。年金の無駄遣いと支給漏れを防ぐ、これが唯一の解決策です」と胸を張る。 
 
 他党で「年金通帳」を主張するところはなく、新党日本の「専売特許」になっている。年金不信が益々高まる中、こうしたプランを提示する新党日本に追い風は吹くのか。 
 
 同党関係者は語る。「参院選になれば各党党首によるテレビ討論が頻繁に行われる。田中さんは『年金手帳』を武器に他政党と差別化し、有権者の不安を取り除くことができる」と自信を語っている。 


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