2007年08月23日11時21分掲載  無料記事
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07年日本映画祭がマレーシアで開幕

 【クアラルンプール23日=和田等】2007年日本映画祭(国際交流基金クアラルンプール日本文化センター、ゴールデン・スクリーン・シネマズの共催)がマレーシアで23日から開幕する。今回上映されるのは、山田洋次監督の『武士の一分』、岡田准一、宮沢りえの共演で話題を呼んだ異色時代劇敵討ちドラマ『花よりもなほ』(是枝裕和監督)の侍もの2本のほか、在日韓国人社会という大きな問題を、若者の強烈なエネルギーを通して描き評判となった『パッチギ』(井筒和幸監督)、世界で注目の若手女性監督、荻上直子監督の代表作2作『バーバー吉野』『かもめ食堂』など、最近の話題作、注目作計8本。 
 
 21日にクアラルンプール市内で開催された開幕式で挨拶に立った国際交流基金の下山雅也所長によれば、日本映画の活況の背景には、技術革新、日本の社会・文化的な変化に応じて、シネマ・コンプレックス(複合映画館)が発展しスクリーン数が増加したこと、映像製作者が映画館での公開用だけではなく、多局化するテレビやDVD、インターネットに映画を売ることで資金を得られるようになったこと、新人監督が台頭する一方でベテラン監督も奮闘していることなどがある。この結果、2006年に日本で製作された映画は400本以上に達した。 
 
 また日本の映画興業関係者が、「ハリウッド映画の配給料が大幅に引き上げられたことも大きい。ばくち的要素もある映画興行で多額の配給料を払った外国映画がこけた場合のリスクをとることを避け、配給料が安くて済む日本映画の上映を増やしている面もある」と指摘するように、こうした事情も日本映画の隆盛をもたらす一因になっている。 
 
 マレーシアでは日本製アニメやホラー、侍ものに対する期待が一般的に高いが、製作者サイドからはポストプロダクションの技術に対する期待が高まっている。 
 
 マルチメディア・スーパー回廊(MSC)構想の下で、デジタル・コンテンツやマルチメディア・ソフトの開発への関心・取り組みが高まる中、日本映画に関してもこうした面での期待が高まっているともいえそうだ。 
 
 日本映画祭は23〜27日まで首都圏のゴールデン・スクリーン・シネマズ(GSC)で、31日〜9月2日までペナンのGSCで開催される。 


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