2007年10月26日20時19分掲載  無料記事
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経済制裁によるビルマ民主化を疑問視 マレーシア副首相、ASEANの責務を強調

  【クアラルンプール26日=和田等】マレーシアのナジブ副首相兼国防相は24日、訪問先のにパリで、ビルマ(ミャンマー)は東南アジア諸国連合(ASEAN)に大きな困惑を与える存在となっていると懸念を表明し、「ASEANにはビルマにおける平和と民主化への意向を促すためにできるだけの措置をとる義務がある」と語った。しかし同副首相は、欧米諸国による経済制裁の民主化への効果には疑問を示した。ニュー・ストレーツ・タイムズが報じた。 
 
 ナジブ副首相は、同日パリで開催されたフランス国際関係研究所主催による東南アジアに関する防衛・安全保障に関する講演会に出席した。副首相は、「ミャンマーの市民が被っている暴力に即座にストップをかける必要がある。ビルマ問題の解決を見いだすうえでどんな方策も機能していないので、ASEANは怒りが爆発する寸前に達している」と述べた。 
 
 その一方でナジブ氏は、欧米諸国による経済制裁がビルマ問題の解決をもたらさない理由として、「豊かな資源を持つミャンマーではビジネス機会も多いので、経済制裁をこっそりかいくぐってミャンマーと取引をする国が常に存在する」と指摘、経済制裁によって外部からビルマ軍政に影響力を行使することはできないばかりか、逆に軍政を強化する結果をもたらしていると語った。 
 
 副首相はまた、「ミャンマー問題の解決の筋道として国を統治していた者(軍政幹部)を訴追することなく、政治の変革を進めていくべきである」として、ひとつのモデルとしてアパルトヘイトを終焉させた南アフリカの例をあげた。副首相は黒人解放運動の指導者、ネルソン・マンデラが大統領に就任した際、南アフリカでは円滑な権力の移譲がおこなわれたと指摘。民主化を求める勢力との間で20年にわたって国内で対立が生じているビルマも軍政の指導者を罰することなく、円滑な権力移譲を進めていくことが解決策となりうるとの見方を示した。 
 
 インドネシアのスダルソノ国防相もさきに、ビルマの民主化に向けての過程では軍の影響力を残しながら徐々に民主化を進めていったインドネシアを見習う必要があるとの考えを示した。 


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