2007年11月19日12時07分掲載  無料記事
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日本一おもしろい『豪快な号外』 30秒で世界を変えちゃう新聞  安原和雄

  最近、友人から一風変わった新聞が届きました。題して《『豪快な号外』―30秒で世界を変えちゃう新聞》とあります。 
 ざっと読んでみると、「なるほど」と肯(うなず)かずにはいられない記事が満載です。私が今まで読んだ「号外新聞」記事の中では日本一おもしろいと言っても、誇張ではないように思います。このままゴミ箱に捨ててしまうのは、それこそ「もったいない」ことだし、罰が当たりそうなので、いくつかをご披露しましょう。 
 発行人は中村隆市氏(株式会社ウインド・ファーム代表)/TEAM GOGO!2007事務局 http://www.teamgogo.net/ 
 
▽「やってみま笑(しょう)」っていう気持ちになって 
 
 1ページ目に載っている読者への呼びかけ文が以下のようにちょっぴり変わっています。 
 
 まずは、半径3mを変えてみよう。 
 そこから、世界が変わっていくって。 
 
 今、世界が直面している最大の問題は、「地球温暖化」です。 
 絶望的な予測をする科学者もいます。ある人がこんなことを言いました。 
「しょうがない」を漢字で書くと、「笑(しょう)がない」。 
「笑(しょう)がない・・・」ってあきらめていたら、笑(わら)いのない世の中になってしまう。 
 でもね、「やってみま笑(しょう)」って笑(わら)い楽しみながら動いたら、必ず笑いがあふれる世の中になる。 
 ひとりでも多くの人が「やってみま笑(しょう)」っていう気持ちになって、みんなで半径3mを変えたら、それが波紋のように広がって、地球温暖化は止められるんです。 さあ、みんなで「やってみま笑(しょう)」! 
 
▽世界が変わったステキなGOOD NEWS 
 
 では具体的にどこから行動を起こしたらいいのでしょうのか? 
 「半径3mを変えたら世界が変わったステキなGOOD NEWS」として紹介されている事例の中からいくつかを以下に転載しましょう。 
 
*「このままでいいですか大作戦」成功! 
 あるコンビニ店舗で、会計の際、店員がお客さんに「このままでよろしいですか?」と聞くことを徹底したところ、なんとレジ袋を30%削減することに成功した。日本全国でこの作戦を実行すれば、年間約50億枚削減できる計算だ。 
 
*過疎の町が自然エネルギーで大成功! 
 岩手県葛巻町は、地域の環境保全と地域資源を活かした町の魅力づくりを目的に、1999年から「エネルギー自給100%」に取り組んでいる。畜産ふん尿や間伐材を使ったバイオマス、風力発電など新エネルギーを導入した結果、現在なんとエネルギー自給率78%!(電力は185%!) 
 かつての過疎の町は日本一の新エネルギー基地へと変貌し、今では観光客や視察団が多数訪れるようになった。 
 
*割り箸やめて、洗い箸にしたら1400万膳も削減! 
 林野庁によると、日本の割り箸の消費量は年間250億膳。一軒家を建てるための木材量に換算すると、なんと2万軒分。全国に店舗を展開している居酒屋チェーンのマルシェ株式会社が全国800店舗で割り箸を洗い箸に変えたところ、なんと1年間で1400万膳もの割り箸の削減に成功した。 
 
*新聞配達のお兄さん、鳥が来る干潟を取り戻す 
 千葉県習志野市の谷津干潟は不法投棄などで汚れ、臭いに苦情が殺到、一時は埋め立てることに。しかし1974年、市川市に住む新聞配達員森田三郎さん(当時29歳)がたった一人でごみを拾い始めたところ、その活動が子どもたちの課外授業や市民活動へと広がり、ついには84年、習志野市が埋め立て計画を撤回した。現在は渡り鳥が飛来する美しい干潟として市民に愛されている。 
 
*アメリカで食べ物といえば、オーガニックは当たり前! 
 環境をテーマにした雑誌「Ode」(米国で発行)の調査によると、米国のオーガニック(有機)食品市場規模は約1兆7000億円に達した。米国中にスーパーを展開するウオルマートでも普通の食品より少々高い価格でオーガニック食品を買えるとあって、もはやオーガニックは完全に市民権を得たようだ。ヨーロッパのイギリスなどでもオーガニック市場が年率30%の急成長だという。 
 
▽最大の環境破壊は戦争&軍隊 ― 平和省をつくろう 
 
 「平和省をつくろう」という呼びかけが始まっています。そのためには日本でいえば、現在の防衛省を解体しなければなりません。それはさておき、まずはこの『豪快な号外』のつぎの記事、「最大の環境破壊は戦争&軍隊。平和省をつくろう」に耳を傾けましょう。これは「世界を変える30の方法」の1つとして紹介してあります。 
 
 私たちがどんなに省エネや環境に配慮したライフスタイルを心がけたとしても、ひとたび戦争が起こってしまえば、莫大なCO2(二酸化炭素)が出て、地球温暖化が進行します。また軍隊を持ち、日常的な訓練をするだけでも同様です。戦車の燃費は約0.25km/リットル(ホンダのフィット100台分)、戦闘機の燃費は最高速度時0.005km/リットル(ドラム缶1本で10km)。 
 暴力に頼らず、軍隊と戦争をなくし、世界を平和にすれば、人の命もエネルギーもムダになりません。「何があっても戦争はしない、他国は攻めない」という、世界中がうらやましがる平和憲法9条を世界にひろげれば、戦争のない世界が実現します。そのための、平和省を創りましょう。 
 
▽銀行を変えれば、戦争が終わる 
 
 「世界を変える30の方法」の1つ、「銀行を変えれば、戦争が終わる」という記事もユニークです。その考え方はつぎのようです。 
 
 銀行や郵貯に預けているお金が、戦争に使われているって知ってました? 金融機関は預かったお金で短期国債などを購入し、国債を発行する政府はアメリカ国債を買う→アメリカ政府は戦争のための費用に使ったりする。そんなのは嫌だという人は、口座を解約して、環境や社会問題に取り組むステキな会社の株を買って企業を応援したり、ろうきんや非営利バンク(NPOバンク)などのエコな金融機関を選びましょう。 
 「NO WAR」と叫ぶよりも、銀行からお金を下ろすことが、戦争を止める方法になります。銀行員のみなさんは、自分の会社のお金の使い方をよく議論して下さい。銀行が変われば、世界も変わる。 
 
〈安原のコメント〉消費税引き上げを阻止しよう! 
 銀行から預金を引き出すのも一つの方法ではありますが、戦争を仕掛ける国家、つまり政府は戦費調達のために増税、例えば消費税引き上げを画策します。社会保障費の財源に回すなどと大衆が呑みやすい口実で言いくるめようとしますから、要注意です。 
 消費税の引き上げを阻止することが当面の大仕事です。それに現在の年間防衛費約5兆円という無駄遣いに目を光らせ、それを大幅に減らすることも必要です。 
 
▽一人ひとりの背中を押してくれる「金言」集 
 
 「やってみま笑(しょう)」という気分になるように、一人ひとりの背中を押してくれそうな「金言」ともいえるステキな言葉をいくつか、この『豪快な号外』から拾ってみましょう。せっかくの金言も、何かひとつでもいいから実行しなければ、くだらない駄弁にすぎません。かっこ内は私(安原)の感想の一言。 
 
*どんな人にでも未来をつくりだすちからがある。(そう信じることから新しい未来は始まります) 
*この世に存在する一切のものには、すべて不要なものは一つもない。(すべてに「もったいない」、「お陰様で」と感謝しながら生きる以外にないのですから) 
*力は知識を隠しておくことからではなく、分かち合うことから生まれる。(だからこそ弱肉強食は破綻し、共生・連帯が輝いてくるほかないのでしょう) 
 
*自分自身が平和でいることで、あなたはすでに平和な世界の一部になっているのです。(自分自身がまず貪欲を捨てることができれば、たしかに平和への一歩ではあります) 
*わたしたちのすることは大海のたった一滴の水にすぎないかもしれません。でもその一滴の水があつまって大海となるのです。(一人ひとりがこの現世の社会を担う一員、という自覚が必要です) 
*一緒に種をまきましょう。(そうですね。参加者が一人でも多い方が成果は大きくなります) 
 
*僕の前に道はない。僕の後ろに道はできる。(大志を抱いて、さあ前人未踏の地へ! という心意気でしょうか) 
*今日という日は残りの人生の第一日目である。(「なるほど」という想いです。一期一会の精神で生きるべし、という呼びかけにもなっています) 
*明日とは、明るい日と書きます。(未来に生きることは、未来に希望をもつことです) 
 
*君が行けば、世界も行く。正確に、君と歩調をそろえて。(大海の中の「たった一滴の水」にすぎなくても、それが大海をつくっているのです。演技はうまくなくても、一人ひとりが主役です) 
*自分一人で石を持ち上げる気がなかったら、二人でも持ち上がらない。(この地球の生命共同体は、持ちつ持たれつの関係にある、といっても、他人依存症にかからないように気をつけましょう。お互いに自分の足腰を鍛えることです) 
 
*本稿は「安原和雄の仏教経済塾」からの転載です。 
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