2008年05月13日17時07分掲載  無料記事
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今も残る北部蔑視? フランス・サッカーで差別横断幕

  パリのチームとフランス北部の地方都市ランスのサッカー・チームが今年3月、最終リーグ戦を行った際、パリ側の応援団席に「少年愛癖」「北部の人達ようこそ」などと書かれた巨大な垂れ幕が掲げられた事件があった。背景には、ランス市などのあるフランス北部はかつての炭鉱都市が多く、住民の平均所得が低いことから、いまだにパリの住民の間に北部への差別意識があるためとみられている。(パリ=飛田正夫) 
 
 フランスのテレビ局などの報道によると、3月29日にフランスリーグの最終戦がパリのサンジェルマン・チームとフランス北部地方都市のランス市のチームとの間で行われた。試合の後半でランスのチームが得点して同点になったところで、パリ・サンジェルマン・チーム応援団席側の手すりに沿って、「少年愛癖」「失業者」「近親相姦」「北部の人達ようこそ」(パリへ)などと大書された20メートルに及ぶ横断幕が垂らされた。 
 
 これに対し、翌日にプロ・サッカー選手権協会のフリデェリック・チリデズ会長が「暴力と憎しみを扇動するもの」だと批判。 
ランスのチーム監督であるジャン・ピエール・パパン氏も「差別と戦うためにも、パリのチームを厳しく裁くべきだ」と抗議した。 
 
 フランス北部の中心都市リール市長のマルチーノ・オーブリーさんは「パリ・サンジェルマンの応援団には、フランス北部地方のチームとの次の試合の機会に、名誉毀損を謝罪することを望む」と発言。フランス・サッカー連盟は、サンジェルマンの処罰を考えているとも発言した。 
 
 パリのサンジェルマン・チームの応援団は「ブローニュ・ボーイ」と通称されていて過激な行動をするフーリガンとしても有名。過去に警察との衝突事件で死亡者も出している。 


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