2008年06月04日17時53分掲載  無料記事
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電話での熱い会話で処女喪失? チュニジアで訴訟に

  携帯電話で真夜中に恋人同士が熱い会話を交わしていたところ、佳境に達した女性が、誤って指で処女膜を損傷させてしまったところ、女性の家族が相手の男性が「処女を奪った責任がある」として訴訟を起こすという前代未聞の珍事が、アラブ世界ではレバノンと並んで最も「自由度」が高いとされるチュニジアで起き、アラブ世界で大きな議論になっている。結婚前には処女であることが絶対的な価値を持つアラブ・イスラム世界以外では起き得ない「事件」だが、地元紙は困惑気味ながら「司法の判断を仰ぐべき」との論調を打ち出している。(斎藤力二朗) 
 
 
 チュニジアのアル・サリーフ紙によれば、この奇妙な訴訟はスーサ市(首都チュニスの143キロ東)の地裁軽犯罪局でカマール・ビルカーシュ裁判長の下で審理が進められている。 
 
 しかし女性のボーイフレンドの男性(30)はセックスどころか女性に触れたこともないと否定しているが、携帯電話で「熱い会話」をしたことは認め「会話中に感情が佳境に達した際に、女性が悲鳴を上げた。彼女は、その時出血したと私に告げた」と話している。 
 
 法医学検査の所見で女性が性的暴行を受けていないと確認されており、被告の男性のマハー・ムタイビウ弁護士(女性)は、女性は「自分自身で処女を喪失したのだろう」と推測している。 
 
 サリーフ紙は、「これは稀有な事件に見えるかも知れないが、『声だけで起きたレイプ』でもあり、遠距離からの性行為でもある。処女喪失という現象は確認されており、性行為はあったとみられる。細部に至るまで決着を付けるべく司法の判断が求められる先例になろう」と不鮮明な結論で記事を締めくくっている。 
 
 しかし、記事への読者の書き込みでは「女性の責任」としてむしろ女性を非難する意見が多い。 
 
【原文】http://www.elaph.com/ElaphWeb/ElaphGuys/2008/4/324232.htm 


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