2008年08月22日13時25分掲載  無料記事
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【リンク】ナノテクはあぶない! 日焼け止めクリームから浸透、健康障害を引き起こす可能性も 欧州委員会が警告

  化学物質問題市民研究会によると、欧州連合の消費者製品科学委員会(SCCP)は、日焼け止め化粧品の中に含まれるナノ物質の潜在的なリスクを評価するための現在のアプローチは不適切である、と結論付ける報告書を発表した。同委員会は、ナノ物質が皮膚を浸透して臓器と体組織に蓄積し、健康障害を引き起こす可能性を評価するために、「新たな方法論を早急に開発する」ことを求めている。(ベリタ編集部) 
 
 
  欧州委員会の報告書は、2007年12月18日の第14回総会で採択されたもので、「日焼け止めに現在使用されている不溶解性ナノ物質の安全性レビューが必要である」とし、化粧品に用いられている全てのナノ物質について個別のリスク評価を勧告している。 
 
  同報告書が問題にしているのは、これまでほとんどの テストは健康な無傷の皮膚で行われているに過ぎないこと。ナノ物質が傷のある、日焼けした、又は疾病のある皮膚を浸透する可能性を検証するテストを特に求めている。 
 
  欧州委員会の報告書は化学物質問題市民研究会サイトの以下で読める。 
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/eu/SCCP_071218_nano_cosmetic.html 
 
  また、米誌『コンシューマーリポート』は2007年7月に日焼け止め化粧品に関して、「ナノ粒子成分と効能は関係ない」との報告を出している。 
 
  以下は化学物質問題市民研究会のサイトに抜粋された同誌の報告である。 
 
  それによると、日焼け止め中のナノ粒子が人に直接的な健康影響を与えるかどうかは主にそれらが皮膚上層部を浸透するかどうかによる。研究によれば通常の状況では皮下組織まで達しないが、ざ瘡、湿疹、日焼け、又は髭剃りによる傷などにより損傷を受けた皮膚は浸透しやすいかも知れない。 
 
  適切な安全評価がなされるまで、これらのナノ成分への暴露を避けたい人は二酸化チタンや酸化亜鉛をラベル表示していない日焼け止めを選択できるかもしれ ない。このことは不十分な日焼け保護に甘んじることを意味しない。我々のテストは効能とこれらの成分とは関係がないことを示している 
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/nano_master.html 


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