2008年10月23日09時44分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200810230944584

世界経済

アイスランドの経済崩壊──新自由主義の破綻の典型例

  アイスランドは北大西洋に浮かぶ人口32万の小国である。1984年、かの有名なミルトン・フリードマン氏自身がお出ましになって、新自由主義・金融立国を勧めたのだそうです。これに共鳴した若き保守派が、1991年に政権を獲得して、以来国を動かして来た。そのやり方は、規制解除、民営化、特に中央銀行の民営化、減税(企業への税率は50%から18%に)などなど。(バンクーバー=落合栄一郎) 
 
 こうした政策はアイスランドの経済・市民生活を活性化し、豊かにした。国民一人あたりのGDPは、世界のトップクラスになり、国連の人間開発指数や「生活の質」評価では2007年にトップに躍り出た。政府の後ろ盾で、銀行は海外投資も拡張し、銀行業もその他の企業も繁栄し、多くの億万長者を輩出した──新自由主義万々歳。 
 
 そこへ、アメリカ発の金融危機が波及して、銀行は破産、政府は助け舟を出そうにも資金がない。現在、国民一人あたり20万ドルの負債を抱えていて、アイスランド国は事実上破産だそうだ。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。