2009年01月09日15時55分掲載  無料記事
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NNNニュースダイジェスト

タイ・イスラム教指導者殺害者の訴追求める 人権団体

 【バンコク9日NNN=ベルマナ通信】米国に本部を持つ国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチ(HRW)は8日、タイ南部で拘置中のイスラム教指導者を殺害した兵士を訴追するかどうかが、タイ南部に正義をもたらすと公約しているアビシット首相の政権を試すものになるであろうとする報告書を発表した。 
 
 HRWのブラッド・アダムス・アジア部長によると、タイ南部のナラーティワート州の裁判所は昨年12月25日、イスラム教指導者のヤパ・カセン(56)さんは同州の軍の基地で3月20日と21日に尋問中に拷問を受け、殺されたと結論を出した。 
 
 アダムス部長は、アビシット首相が12月30日の所信表明で、イスラム教徒が多数を占めるタイ南部で分離主義者が独立を求める運動を2004年1月に再開して以来、3500人以上が死亡している紛争で、正義は問題解決の不可欠な部分であると強調したことを指摘した。 
 
 「裁判所は、タイ治安軍が犯した拷問と虐待を指摘して、勇気ある、前例のない判断を下した。これはごろつき兵士による極端なケースではなく、幅広い構図の一部である」とアダムス氏は述べた。 
 
 同氏は、次は政治的勇気を示して、殺人を命じ、実行した将校と兵士を訴追するようにさせるアビシット首相の番であると語った。 
 
             (ベリタ通信編集部翻訳・編集) 


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