2009年03月11日22時59分掲載  無料記事
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17歳の独少年の銃乱射で15人が死亡

 ドイツの17歳の少年が、11日、南部ウィネンデンにあるアルベルトビレ実業中学校で生徒9人と教師3人を射殺した。少年は通行人2人を射殺した後、40キロ離れた場所にあるスーパーの駐車場で警察と銃撃戦となり、警察官に撃たれて命を落とした。少年はウィネンデン南西部にある学校の元生徒だった。警察が地元メディアに語ったところによれば、少年は午前9時半頃、学校に徒歩で到着し、銃を乱射し出した。生徒や教師らを射殺あるいは負傷させた後、逃亡した。 
 
 警察報道によれば、少年の父親は裕福なビジネスマンだ。 
 
 ウィネンデンは人口約2万7000人で、ドイツ南部の都市シュツットガルトの北東20キロに位置する。アルベルトビレ実業中学校には10歳から16歳の生徒、約1000人が通う。 
 
 ドイツではここ数年の間にも、未青年による銃乱射事件が起きている。2002年には元生徒のロバート・シュタインハウザーがドイツ中部エアフルトのギムナジウム(中・高校)で13人の教師、生徒2人、警察官2人を銃殺した後、自殺している。 
2006年には18歳の元生徒「セバスチャンB」がエムスデッテンで37人を負傷させ、自からの命を絶った。 
 
▽「自分を憎む」 
 
 これまでのドイツ国内での生徒による銃乱射事件の原因については、一定の見方がなく、度を越して暴力的なビデオゲームを規制するべきと言う声が上がったことがある。 
 
 2006年のセバスチャンBの場合、乱射の前に、インターネット上に別れの手紙を公開しており、この中で、「自分を憎んでいる」と述べていた。 
 
 警察は、このメッセージが本当にセバスチャンBによるものだったどうか、「真偽が疑わしい」として、ネット上から削除してしまった。ドイツ週刊誌「シュピーゲル」(電子版)の2006年11月20日付報道によると、生徒のメッセージが入ったウェブサイトには、戦闘服を着て、銃を手に持ったセバスチャンBの写真が掲載されており、「学校で学んだ唯一のことは、自分が敗者だということだ。自分を憎んでいる」と言うメッセージがあった。当時の同級生によれば、セバスチャンBは勉強はできたが、次第に孤立化するようになり、黒い服を好み、軍隊に入りたがっていた。一日中コンピューターゲームに興じるようになったと伝えられている。 


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