2009年03月18日09時44分掲載  無料記事
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主催団体を牛耳るのは世界最大の水資源企業 第5回「世界水フォーラム」

  日本の皇太子も参加して、現在トルコのイスタンブールで開催されている第5回「世界水フォーラム」の開催主体は、国連と思っておられる方が多いのではないかと思われるので、そうでないことをお知らせしておきたいと思う(J.Conant、AlterNet 2009.03.17の記事より)(バンクーバー=落合栄一郎) 
 
 この3年毎に開催されるフォーラムは、「開かれた、あらゆる関係者の参加する会議」で、政府、NGO、ビジネス等が参加して、安全な水を確保する方策などを議論するということになっている。このフォーラムの主催団体は「世界水会議」(World Water Council)であるが、水資源を扱う世界最大の私企業、スエズ(会社名)とヴェオリアが牛耳っているし、その会長はヴェオリアとスエズの共有する子会社の社長である。 
 
 「世界水会議」と前4回の「世界水フォーラム」は、PPP(公共―民間パートナーシップ)なる政策を促進してきたが、これにより、水という公共資源が私企業の支配下に置かれる。この政策のため、アルゼンチン、ボリビア、アメリカなどでは、水道料金が高騰し、水質汚染対策は後退し、ある場合には、市民への水供給が停止された。 
 
 このような性格の会議に対して、南の国の人々からは抗議が声が上げられ、また地元トルコのダム建設計画などに対して抗議のデモが行われた。 


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