2009年05月23日15時26分掲載  無料記事
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労働・生活・研究の現場をつなぐ”知”の創造 「変革のアソシヱ」発足

  グローバル資本主義が作り出すさまざまな困難が世界を覆い、貧困、環境破壊、農業の衰退などが地球規模で広がり、そこを金融恐慌が襲っている。こうした状況にどう向き合い、そうではない社会をどうつくるかを考え実践する場を作る運動が始まる。労働・生活・研究の現場を結び、都市と農村をつなぐ批判と創造の知の営みを作る「変革のアソシヱ」(仮)だ。6月6日、結成総会と記念講演、シンポジウムが都内で開催される。(ベリタ編集部) 
 
  「変革のアソシエ(仮称)」以下のよな呼びかけを発して、呼びかけ人と賛同者を募っている。 
 
<呼びかけ文> 
違いを結ぶ、批判と創造の新機軸を構築しましょう 
 
  サブプライム問題の深刻化に象徴されているように、金融恐慌の津波が世界を襲っています。資本主義は、内在的な不安定性を深刻なかたちで露呈し、あきらかに外的な力によってではなく、内部から自己崩壊現象を示しているのです。これが、私たちを取り巻いている現在の様相です。いまや、ほんとうにスケールの大きな歴史の危機と転機とが共に訪れているのです。(中略) 
  いま必要なことは、社会変革の新しい基軸を早急に構築することです。資本主義に反抗し、新しい地平を開く批判的・創造的知性の舫(もやい)を生み出すことです。違いを結ぶ批判と創造の星座を作り出すことが喫緊に重要なことです。(中略) 
  世界に吹き荒れるこうした抵抗の風を、私たちもしっかりと受け止め、もっと大きな風を起こすべく、謙虚な自己反省を忘れずに、批判的・創造的知性を結集すべきでしょう。(中略) 
  こうした可能性の絆、新しい基軸の拡充と構築という営為の上に、農漁村の崩壊・都市における貧困の累積、様々な格差、因習・慣行と無自覚による女性差別、等々を食い止める広範な人々のアソシエが形成されるのです。 
  現在は、危機の頂点です。それは、古代ギリシャの哲人、ヒポクラテスが喝破したクライシスです。究極の危機を迎えたとき、人間は劇的な回復力を発揮するのです。そうした極限状態がクライシスと呼ばれているものなのです。 
  資本主義そのものを克服し、新しい価値観に基づく新しい時代の創造を目指して、それぞれの生活空間・運動空間で苦闘している現場の知を尊重しつつ、広く世界の批判的知性との交流・協力も大切に、志を新たにさまざまな分野での課題や知的作業を重ねあい、歴史の危機を突破する希望を育みたいのです。 
  こうした私たちの願いに、協力し結集してくださることを心からお願いします。 
    二〇〇九年四月 
「変革のアソシエ(仮称)」設立発起人 
■発起人(順不同) 
伊藤  誠(東京大学名誉教授) 
本山 美彦(京都大学名誉教授) 
足立真理子(お茶の水女子大学准教授) 
大野 和興(農業ジャーナリスト・脱WTO草の根キャンペーン) 
 
 
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「変革のアソシエ」(仮称)記念講演とシンポジウム 
 ―資本主義の危機と変革への希望 
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会場:総評会館(東京都千代田区神田駿河台3-2-11) 
   千代田線「新御茶ノ水」0分/丸ノ内線「淡路町」4分/都営新宿線「小川町」2分 
■日時:6月6日(土)18:00〜 
■プログラム 
●コーディネーター 
足立真理子(お茶の水女子大学准教授) 
 高橋順一(早稲田大学教授/日本思想史) 
●開会挨拶 伊藤 誠(東京大学名誉教授) 
●記念講演 本山美彦(京都大学名誉教授) 
   世界恐慌と危機の真相―わたしたちはどこへ向かうのか 
●わたしの戦略・提言 
河村哲二(法政大学教授) 
武建 一(連帯ユニオン関西地区生コン支部委員長) 
安次富浩(沖縄・ヘリ基地反対協議会代表委員) 
大野和興(農業ジャーナリスト) 


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