2010年07月13日03時38分掲載  無料記事
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文化

パスカル・バレジカさんの新刊「パリ」   村上良太

「フランスからの手紙」を寄稿していただいているパスカル・バレジカさんが書き下ろしたガイドブックが出ました。パリ関係の本を出版しているパリグラム出版で、タイトルは「パリ〜歴史の中心地をぶらり歩く〜」(Paris, Promenades dans le centre historique)です。 
 
「前に書いた本の件で出版社に出かけたら、編集者がガイドブックを書く気はないか、と提案してきました。すでに別のライターが書いて刊行した本を見せてくれたのですが、それはパリの外側のエリアを扱ったガイドブックでした。それと補完するように、今回私が作ったガイドブックはパリの内側を扱っています。地下鉄で言えば2号線と6号線に囲まれたパリの中心エリアです。」 
 
バレジカさんはパリの中心部を18のスポットに分け、各スポットにつきおよそ2〜3時間の散歩時間を設定しました。ガイドブックの定番コースは注意深く避けたそうです。そのためボージュ広場、リュクサンブール公園、モンパルナスなどは出てきません。一味違うパリを見せたかったのです。コースごとに詳細な地図が添付されていますが、そこに蟻の足跡のようなルートが矢印→つきで書き込まれ、そのルートで出会える逸話と写真が添えられています。 
 
「最初は私1人で書き下ろす予定でしたが、すべてを自分ひとりでやるのは無理だと悟り、写真を知人のミュリエル・モンティーニ(Muriel Montini)に依頼しました。彼女は映画制作者です。私は各コースとそれぞれの道にまつわる情報を彼女に教えましたが、彼女には彼女が個人的にもっと面白いと思うものを撮影してもらいました。最後に編集者に写真を選んでもらって本ができあがりました」 
 
写真1 Le faubourg Saint-Antoine の一見、閑静な路地(11区) 
しかし、バスチーユ広場に近く、歴史的に反権力の民衆が多い地区だという。 
 
写真2 Du bourg Saint-Medard a l’ (5区) 
名門アンリ4世校に近いムフタール通りの愛らしい装飾品 
 
写真3 La plaine Monceau ( 8区) 
モンソー公園にある謎のピラミッド 
 
写真4 Le faubourg Saint-Marcel (13区) 
詩人レオン=ポール・ファルグと作家アルフレッド・ジャリがしばしば散歩した界隈 
 
バレジカさんは最初、パリのシュールレアリスムに関する本を編集者に提案しようと思っていたそうです。モンティーニさんとのコラボレーションで今までと違った本づくりになりました。「パリ」をめくるとよそ行きと違ったパリの姿が垣間見えるはずです。 
 
■パリグラム出版(Parigramme)のホームページ 
http://www.parigramme.com/Bienvenue.htm 
 
■バレジカさんのメールアドレス(言語は英仏伊) 
pascal.varejka@gmail.com 
 
 
 
村上良太 


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