2010年10月02日11時28分掲載  無料記事
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文化

パリの散歩道13    パリの芸術家天国      村上良太

  今、パリの5区で芸術家の青空市場が行われている。場所はモーベール広場(Place Maubert)だ。10月2日から4日まで、世界から集まった40人の芸術家が露天にそれぞれのブースを設けて展示を行う。実は、これは ‘Place aux artistes!’=「芸術家に広場を!」という取り組みの一環で、今回は第八回目の展示会になる。 
 
  パリの散歩道で取材した画家のヴィルジニー・ブリエン(Virginie Brien)さんも青空市場に参加している。読者の中には覚えている方もいるかもしれないが、ブリエンさんは現代に生きるパリジェンヌたちの孤独をテーマに絵を描いてきた。彼女は新しい表現を目指すパリの画家にとって展示場所を見つけるのは困難であることも訴えていた。 
 
  今、行われている芸術家の青空市場は芸術を生活と切り離した飾りと見なさず、暮らしの場に密着したものととらえ、表現しているクリエイターたちが中心になっている。こうした直截な行動力はパリらしい。しかし、青空市場に出展するには厳しい選抜を経なくてはならないようだ。 
 
  この運動=「芸術家に広場を!」は2008年にパリで始まり、同年6月7日土曜日にカルチエ・ラタンのモンジュ広場で最初の青空展示が行われた。回を追うごとに参加者も増え、注目度も高まっているようだ。 
 
  展示場所は回によって異なるが、モンジュ広場(Place Monge)や、グルネル市場(Marche Grenelle)などだ。主催者によれば、「普段食料品を扱う市場のような生活に密着した場所であえて展示を行う」。それが「芸術を民主化すること」だという。それは家電製品のデザインなどの工業デザインを指しているのではない。 
 
  この運動を始めたのはパリの画廊の人々だった。パリ5区にあるアルシマ画廊(galerie Arcima)のミシェル・アラブ(Michel Arab)とナディア・ラポルト(Nadia Laporte)である。彼らはこれを1つの芸術運動ととらえた。青空展示の行われるモンジュ広場は生鮮食料品の朝市をやっているところでもある。アルシマ画廊もその近くにある。サンジャック通り、161番地だ。 
 
  第一回目の青空市場に集まったのは60人の芸術家でフランス人もいれば外国人もいた。青空であれば画廊のように敷居も高くなく、気軽に住民も見ていける。そこには「美術界」とは異なる人々の出会いがある。 
 
  今回出展するブリエンさんは以前、たとえ絵で生活できなくても絵を描くことはやめない、と言っていた。パリにはそうした芸術家たちを評価し、彼らに手を貸す画廊主がいたのである。 
 
■「芸術家に広場を!」 
左端のEDITIONのところをクリックすると過去の展示の模様を見ることができる。 
http://placeauxartistes.canalblog.com/ 
■アルシマ画廊 
http://arcima.canalblog.com/ 
■ヴィルジニー・ブリエンさんの関連記事 
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